ごっちゃ煮 | ナノ


▽あんまり設定の生かされない無口わんこ書記×ゆるふわわんこ会計
▽R18



どさ、とベッドの上に倒された時、ユズルはぽかんと口を開けて相手を見ることしか出来なかった。

「ゆず、…ゆず……」

泣きそうな顔をして自分を見下ろす彼は、ただ名前を呼ぶだけで、それ以上は何もしてこなかった。

「んー?どうしたの?」
「……ゆず、」

腕を伸ばして頭を撫でてみると、余計に顔がくしゃっと崩れて、とうとう涙がユズルの顔に落ちてくる。
きっと、色々考え込んで、頭の中がショートを起こしてるんだ。

「セツ」
「……?」
「いいよ」
「………、」
「セツの好きなように、していいよ」

腹筋を使って無理矢理唇を合わせた。ちょっと辛い。
でもセツが嬉しそうに笑ったので、ユズルはそれで十分だと思った。



「………ッ、ぁ、」
「……いた、い?」
「いたい、けど、へいき」
「…っごめ、ゆず、ごめん、」
「だーいじょーぶ」

めそめそと、それこそ自分より苦しそうなセツに、愛しさが込み上げる。
他者を受け入れたことなんてない後ろはじくじくと痛むし、体勢だって楽じゃない。

「セツ、…ちゅーして」
「……ん、」

だけどキスされて、その時にちょっと身じろぐ彼が可愛くて、何かが満たされていく気がする。

「…ゆず、動いて、いい?」
「ん、…いいよ」

押し出されるように出入りするそれに、快感よりとにかく痛みが凄くて、セツに強く抱き付いて、それに耐えた。

ごめん、ごめんね、と謝るセツの、泣きそうで、気持ち良さそうなその表情が、ユズルは、本当に嬉しかった。

何度も何度もキスして、そうしていくうちに漸く痛みにも慣れて、だんだん心地良さを拾い上げていく。

「ひっ、ぁ、せつ、そこ…っ!」
「きもち、い?」
「ん、んん…っそこ、が、い…ッ」
「…っ、ゆず、ゆずる、ゆずる…、」

のし掛かる重みも、全身の熱さも、全部全部、気持ち良かった。
溶けてしまうくらい、溶けてしまっても良いくらい。

不意に笑ったセツに、ユズルも、笑顔を浮かべた。



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設定が全く生かされなくて悔しい…
書記が雪でセツ、会計が譲でユズル。そんなかんじ。
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「見えない臓器の名前は」
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