▽単純の祐貴×圭登
▽ただのえろです
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水音が埋まって、同時に、衝撃と精神的な苦痛と、あと色んな感覚が、頭を支配する。
圭登は声をあげそうになった己の口を、枕端を噛ませることで何とか抑えた。
じわ、と唾液が広がる。
「んっ、ん…ッ」
「なァんで声、出さねーんだよ」
後ろから突かれて、背中に覆いかぶさり、自分の耳元で囁く祐貴を睨む。
視界は生理的な水でぼやけ、霞んでいた。
「ほら、」
「ん、ぐ、」
人差し指と中指が咥内に無理やり入り込んで、舌を撫でる。
やめろ、と意味を込めて噛んでも、抜かれはしない。
がじ、がじ、と犬歯を食い込ませたって、意味はなかった。
「あ、あ、」
「もっと出るだろ」
唾液の絡まった指先が頬の裏を撫で、歯奥を撫で、舌先を擽る。
その隙に後ろから、何度だって打ち付けられた。
「っぃ、あ、…ッひ、あ、あ!」
「…っ…、ん、」
「ゆ、き…っも、や、…あ、っ」
「まだだろ、全然」
「ぅあッ!あ、や、そこ、ひ、…っんぁ、あッ」
抉られるように貪られ、いつの間にか指も引き抜かれているのに、何かを噛むタイミングすら計れなくて、押し出されるみたいに、声が引き出される。
耳元には祐貴の荒い吐息が聞こえ、部屋のあちこちで、何でも、反響されてしまう。
「ゆう、…き…ッぁ、あ…っ」
「ん、だよ、けいと、」
名前を呼び、呼ばれると、手が重なって、強く握り締められた。
意味なんてなかった。
お互いにそうしたいから、そうしただけ。
首筋に強い痛みを感じて、ああ噛まれたな、と、視界のどこかで、そう思った。
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