【司に蒼志が酔っ払って額に祝福、友情のキスをされる】
※お付き合いはしてないけど二人ともお酒飲める年齢になりました
ああ、ふわふわする。
酔ってるんだろう、きっと。
「酔った」
酒が飲める年齢になってから、一人暮らしの蒼志の家で二人で飲むことが多くなった。
元々そんなに強くない俺と、当たり前のように強い蒼志。
先に潰れるのは毎回俺の方だ。
だから今日もそうかな、と思ってそう言ってみれば。
「………俺も」
そんな意外な言葉が返ってきて、ことん、と蒼志はグラスをテーブルに置いた。
………ウィスキーロックなんて、ハイペースで飲んでたらそりゃ酔うわ。
「つかさ」
「んー?」
いつもよりゆったりとした声。
手招きされて近付くと、手首を引っ張られて案の定、腕の中へ。
長い付き合いになると、何故かこんなことにも慣れてくる不思議。
普通有り得ないんだけど、まあ、蒼志だし。
そんな一言で片付いてしまう。
「何?」
「酔った」
「知ってる」
「……酔った」
「はいはい」
こんな顔しておいて、結構寂しがり屋。
でも甘えることはそんな得意じゃない。
「蒼志」
「ん」
「あんま、無理すんなよ」
少しだけ汗ばんだ額に、軽く唇を押し当てる。
桜に、おまじない、なんて言ってやってた行為。
ただ、成人男性にすることじゃないんだけど。
……俺も、大分、酔ってるな。
「つかさ」
「なんだよ」
まあでも、酔った蒼志が心なしか嬉しそうだから、それで、いいか。
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付き合ってないよ?
ナチュラルにこんなふたりでも良いかと。
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