R18
side 圭登
頭がぼーっとして、祐貴が何を言っているかわからない。
ただ抱き付くように腕を回すようにされ、為すがまま、見上げた。
「入れるぞ」
「え、……いッ!?」
ッいってぇ…!
裂かれる様な痛みが走って、身体が強張る、痛い、凄く、抱き付いている祐貴の背中に爪を立てて、叫びそうになるのを必死に堪える。
おい、優しくするつったのどこのどいつだ!
「きっつ、…」
「…ッ、いたい、しね、」
「だから悪いって」
「ゆる、さ、ない、」
「あともう少し我慢な」
「は、ぁ!?」
もう意味がわからん、更に奥まで押し上げてくる感覚に痛みが強くなる。
くそ、痛ぇ。
「っ…は、全部入った」
「…も、いやだ、いたい、」
「泣くなって」
「ッ、ないて、ない、」
これはあれだ、生理的に出るようなものであって、決して泣いているわけじゃない。
そもそもこんな激痛が走るなんて聞いてない。
今まで何人か喰ってきたが、あいつら全員に謝りたくなってきた。何なら土下座してやってもいい。
「っ、うー…」
「何可愛い声出してんだよ」
「いてぇんだよ、しね、ばか」
段々とマシにはなってきてはいるものの、……これ本当に動く気か。
今だって結構限界だ。このまま動かれたら激痛で死ぬ可能性がある。ショック死する。
「そんだけ言えりゃもう大丈夫だな」
待て、本当に無理だ、早まるな、死ぬぞ、俺が。
「いッ、た、ぁ、」
「良くなるから」
「んっ、く、うそ、つき…っ」
「嘘じゃねぇって」
ムカつく、余裕そうなこの顔を、歪ませてやりたい。
痛みを堪えて、ぐ、と力を入れて祐貴のを締め付けてやると、眉を寄せて我慢するように歯を食いしばった姿を確認できた。
「く、ッ…」
「っは、ざまあ、みろ、」
ヤられっぱなしは、癪に障んだよ。
「…っのやろう、」
……………あー、でも、墓穴掘った、気が、する。
祐貴は笑顔を浮かべて目を細め、ただその中には、余裕の変わりに狂気染みた欲が見えた。
「煽った責任、とれよ」
「ひッ、ぁあ!」
火花が散るみたいに身体が仰け反って、痛みと、同時にあの感覚が走る。
「ゃ、めッ、むり、や…っ」
「俺も無理、抑えらんねぇ…ッ」
「っあ、んぁ、!」
いやだ。この感覚は、駄目だ。
さっきの指だけの時より、頭に響く。
鈍いような鋭いような痛いなんてどこかにいって、或いはそれすら巻き込んで、俺をぐずぐずと、溶かしにかかった。
「っは、嫌々言ってる癖に、すげぇどろどろ」
「ひぁッ、や、さわ、んな…っ!」
逃げようと腰を引いても、逆に深みを増して貫かれる。
先走りが腹に零れ落ちて、自分の醜態を自覚して、わかってるのに声を抑えられなかった。
どうしたって、全部俺じゃなくなる。
怖い。
イきそうなのに、イけなくて、イけないのに、イきたい。
「っは、あ、んんっ、ゆうき、ッ…」
「んー…?」
「ゆ、き、…んっ、ゆう、き…ッ」
どうしたらいい、わからない、身体を引き寄せて、名前を呼んで、唇を重ねて、わかれよ、はやく、気付け。
「イきそう?」
「ん、ぅ、ッ」
耳元で聞こえた声に漸く伝わったと、強く抱き締めてこくこくと頷いた。
「何でお前、そんな可愛くなるんだよ」
…意味がわからない。この必死な俺のどこに、そんな気持ち悪いものを醸し出す余裕があると。
「っん、うぁッ、そ、…や、だ…!」
「まだ中だけじゃイけねーだろ」
直接的な刺激が走って、どろりと先走りが溢れ出た。
どうやら、俺のが扱かれているらしい。
過ぎる快感は、苦痛だ。
中も外も、どこから犯されてるのか理解出来ず、思考が追い付く前に声が零れる。
「圭登」
「な、ん…ッい、ぁ、」
「好きだ」
「っ、ばか、か…!」
「かもな」
「ゆ、う…っき、…んッ!」
「なんだよ、」
「ん、ぁ…っ、す、き…、」
「っ!」
「ひっ、ゃ、はげし、ぁッうぁっ」
「煽んな、馬鹿…ッ!」
「あッ、あ、ゃ、やだ、ひっ…、も、でる、」
「…ッくそ、」
「あっあ、んぁ、や、あぁッ!」
がつん、と一番奥まで貫かれ、扱いていた祐貴の指先も手伝って、びゅるり、白濁を吐き出した。
その後、中に温かいものが広が、………こいつ、ナマな上に中出ししやがったな。
まあ何だって今はいい。
とにかく俺は、もうどっかに消えてしまいたいんだ。
実は初めてなんです
(…やっぱ意識飛んだか)
(………)
(反則だろ、…圭登)
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