R18
side 祐貴
押し倒して、ぷつり、ぷつり、ボタンを外していく。
見えてくる肌に唇を落として、痕を残す。
この間の勝負の、余裕があった時は不適に笑っていた顔も、今は不安げに俺をじっと見て、確かめるように指先を俺の頭や首筋に沿わせていた。
「流石に勃ちはしねぇか」
「無理言うな」
手をスラックス越しに伸ばして確認、無反応。俺は結構やばいってのに。ま、仕方ない。
圭登のスラックスと下着を一気に全部下ろして足から抜けば、緊張の色が濃くなった。
「大丈夫だって」
「……うるさい、」
脚を立てて開かせる。
それも慣れないから恥ずかしいのか、頭に置いていたクッションを腕に抱えて顔を埋める圭登。やばい、今すぐこいつに突っ込みたい。
が、流石に俺も好きな奴にそこまで鬼畜になれないので、ローションを手に馴染ませて、脚を空いている方の手で閉じない様開かせたまま、相手のモノと窄みに手を這わせた。
「ッ、」
つぷり、ゆっくりと中指を沈めていく。
少し入れては少し抜いて、ゆっくり、ゆっくり。
「痛ぇ?」
「…痛く、は、ねぇ、けど、」
すっげぇいっぱいっぱいな答えだ。
表情はクッションの所為で見えないが、抱える指先が震えてるので、相当怖いらしい。
これはさっさと前立腺でも見つけて、気持ち良くなって頂かねぇとな。
一本、馴染んできたところで、二本。
狭い。物凄く狭い。いやハジメテだってのは嬉しいんだけどさ、…俺の入んのか。
ま、悩んでも仕方ねぇし、入らないことはないだろ、うん。
「っ、は、…は、」
「見つかんねーなぁ」
ぐちゅん、とローションが混ざる音を聞きながら、中指と薬指を抜き差し、良いところを捜す。
荒い息を繰り返す圭登は、恐怖よりも、何だか異物感に堪えるのに必死らしい。クッションを未だ抱き締めたまま、歯を食いしばっている。
いい加減クッションを離して、俺に抱きつけば良いのに。
「ッひあ!」
「あ、」
あ。見つけた。
「ひッ、や、いや、ぁ、あ!」
「ここか」
「なに、や、あ、」
指先で一番反応する箇所を何度か擦る。
その度に身体は跳ね、クッション越しにでも聞こえる嬌声は、戸惑いを含み、隠すように強くクッションを抱き締める。
…邪魔だな。クッションの分際で。
ムカついたのでクッションを取り払って、前髪を後ろに掻き上げてやると、ぞくりとする程の色気を纏った顔がそこにあった。
「ゆ、き、」
「ん?」
「そこ、やめ…ッ」
快感に浸った表情は、それでもまだ理性が残っているのだろう。
見るな、という様に首を横に振りながら、やめてくれ、と俺の名前を呼ぶ。
…逆効果だっての。
余計いじめたくなる。
「ッあ、んぁっ、やめ、…!」
「だーめだって、解さないと俺の入んねぇし」
「や、だ、…っ、も、やぁ…ッ」
「気持ち良い癖に」
指を三本に増やしてわざとぐちゃぐちゃと音を立て、脚を抑えていた手で圭登のモノを撫ぜ上げた。
いやだ、いやだ、と泣くように嘆願する姿はいつもの強がる姿とはかけ離れていて、今こいつを全て支配しているのは自分だと実感する。
…可愛い、かわいい、俺の、圭登。
「圭登」
「んっ、は、…ぁ、う…、?」
「ごめんな」
指を抜いて、唇を重ねる。
もう深く考えられない彼は、俺の言葉を理解出来ないだろう。
シャツを脱ぎ去って、圭登の腕を俺の首裏に回してやって、もう一度耳元で、呟いた。
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