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私が走っても待ち合わせの時間から10分遅れてしまった。とりあえずカイジさんに電話した。
「カイジさん、10分遅れました」
「そう、悪りぃんだけど今から20分遅れそうだわ」
私たちの待ち合わせの時間の意味はあまりない。遅れてカイジさんがきた。
「ごめんな、待たせちまって」
「こっちも遅れちゃったから大丈夫」
手をひらひらさせた。
「なんというかあれだよな、なぎささんの私服……」
「私服がどうしたの」
「グッドだな、って、思った」
カイジは頭をかきながら目を逸らした。きっと、ろくに私の服なんか見てない、でも、カイジさんの紋切り型の褒め方はいじらしかった。
「さあ行きますか」
ナチュラルに妹のように手を繋いでしまった。
「すいません、カイジさん」
「いえいえ」
「そういえばカイジさん、男の人の割に握力少なくないですか」
「いや、うまれつきで…」
と言葉を濁した。

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