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近所のおばさんたちお茶会の片付けをしていたら、
「12番さん会計よ。ここは私が片付けておくから早く会計行きなさい」
「はい」
おばちゃんにまた余計な気を遣わせちゃったなぁと思いながら、顔がにやけてないか不安になりながらレジに立った。
「540円ですね」
カイジさんは、600円と一緒に紙ナプキンを渡してきた。そこには赤鉛筆で電話番号とメールアドレスが書いてあった。
「嫌だったら捨ててもいいから…」
ナンパまがいのことをしときながら目は私と合わせてくれない。
「バイト終わったら連絡します」
「じゃあ、また」
カイジは競馬新聞を頭に乗せて振り返って手を振った。丁寧に紙ナプキンを折っていたら、
「やるじゃないのなぎさちゃん、まあ7割は店長と私のおかげだけどね」
「はあ、感謝します…」
「店長は恩返しとして馬車馬のように働いてもらうって言ってたからね」
「えーパワハラだぁー」
と軽口を叩いた。
***
バイトが終わり、着替える間も惜しんで、エプロンのポケットから紙ナプキンを取り出した。男の人の書く硬い文字で書かれていた。連絡先に追加しようとしたら、間違えて通話ボタンを押してしまった。

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