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「藤原さん、12番さんのアイスできたよ」
「店長、このメニューって上にいちご乗ってましたっけ」
「いーから、藤原さんの給料から引いとくからって嘘嘘。早く持って行って。溶けちゃうから」
12番テーブルのもとに持って行った。
「前頼んだ時いちごなんか乗ってなかったよなぁ」
心なしかうれしそうな目でこっちを見てくる。
「こっ、これは、えーとサービスです。雨の日も来てくれる…名前は何」
「伊藤カイジだけど」
「そう、伊藤さんへの。あっどうぞどうぞ食べちゃってください、溶けちゃうので」
「雨宿りしにきただけなのに、申し訳ないなあ…」
そう言いながらもカイジは嬉しそうにちびりちびりとアイスを口に溶かしていった。
「やったじゃないの」
ホールのおばちゃんは痛いぐらい背中を叩いてくる。
「私はあの人とそういう、あれじゃないですからね」
キッと睨んでも、店長とおばちゃんは私はカイジさんに惚れているという前提で話を進めている。

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