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事務的な店員さんが
「合計3600円です」
私は長財布から4000円取り出した。後ろから申し訳そうな顔のカイジがポケットから600円出してきた。
「それは緊急時にとっておきなさい」
と小声で言った。
「4000円でお願いします」
と店員さんに私は苦笑いした。
***
「カイジさん、奢りじゃなくて、返してくださいね1800円」
「はいはい、わかったわかった」
カイジはわかりやすく嫌そうな顔をした。1800円は私にとってはどうにかしたら埋められる額だ。でも、1800円でまたカイジさんに会えるかもと思うと貸した体にしてしまった。
「なぎさあっ危ない」
カイジさんが歩道側に引き寄せてくれなかったら車に擦ってたところだった。
「カイジさん、ありがとう」
カイジは私の手を握っていたと気づいたら挙動不審になっている。私はカイジさんの軍手の感触をもう一度感じてみたいなんてことを思っていた。

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