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私がその映画に興味がないと言ったら、佐原はその映画を途中からから見せてきた。大味なハリウッド映画だから途中から見てもなんとなくわかった。
「佐原くん、なんで途中から見せるのよ」
「まークライマックスだけがおもしろいから、この映画」
恐らく映画通が聞いたら怒るような発言。いつのまにか佐原は私の後ろを陣取って、首に腕を絡めてきた。ちょうど、映画もオーバーリアクションに白人男性がベッドの上で腰を振っていた。
「ねえ、ちょっと、当たってるんだけど」
「ワザとっす」
そう、耳元で囁いてきた。佐原は私の顎を掴んで唇を押し付けてきた。
「あけみさんだってそれぐらいわかってたでしょう」
「そう、まあ…」
とその後の言葉は紡げない。もう一回佐原にキスをされると、私の口はいとも簡単にこじ開けられた。口の中を軟体動物が這っている気分だ。佐原は私の口の中を犯しながら、ブラウスの上から胸を揉み始める。今日の下着はどんなだっけかというどうでもいいことを考え始めた。
画面の中のヒーローはほったらかしになっている。



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