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私はタバコを咥えライターで火をつけた。
「あけみさんってタバコ吸うんっすね。真面目そうに見えたから」
「よく言われる。だからこそストレスが溜まるっていうか…そういえば佐原くんは高校の時から吸ってたよね」
「まあ、あはは」
「あの頃、私は部活で忙しくてあんまり知らないけどさ、悪い子たちとつるんでて正直ちょっと心配だったんだよ」
私は注文した梅酒ソーダを飲む。少し酔いが回って饒舌になってきた。
「あの頃は俺は無自覚に人生諦めてたからな。万引き、自転車パクって何回か警察のお世話になったすから」
と言いながら冷めたフライドポテトをつつく。今だって佐原は人生を半ば諦めたような顔をしている。むしろあの頃の佐原よりも自分の人生の限界を知った上で諦めたような顔をしている。
「そろそろ、終電」
午前0時を指した腕時計を見ながら、明らかにもう間に合わない終電の話をしてくる。



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