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「おねーさん、飲みに行きませんか」
青年はヘラヘラした口調でそう言ってきた。いつもはそんなナンパなんか無視しているのに。珍しい定時上がりのせいか、その後の気を使って飲みたりない会社の飲み会のせいか、この軽薄そうな青年について行ってしまった。
「いつもここら辺くるんスか」
「まあ、会社の近くだからね」
「俺、ここら辺の安い店知ってるから任せてください」
明らかに私より年下の青年はそう言った。期待はしないでおこう。とりあえず座れて、つまみがあって、酒が飲める。それだけで今の私は満足できる。
「ここッス。ここ」
そう言われて見上げたら細々と都内3店舗経営しているチェーンとまではいかないが、味は信用できる居酒屋だった。
「ここでいいッスか」
「うん」
そういうと木で出来たやたら急な階段を登りはじめる。



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