こんばんは名前変換( 47/56 )




久しぶりに幸雄とデートだ。クーラー代もバカにならないので節約して、バッチリ化粧した。幸雄にもらった緑のワンピースを着て、幸雄に買ってもらったグロスがちゃんと塗れているか念入りに鏡でチェックした。合鍵で幸雄の部屋に入るとキンと寒いくらいにクーラーが効いていた。いつも幸雄は時間をきっちり守るのにおかしいなと思って、奥の部屋に入ると、遮光カーテンまで閉じられ、床の上で寝ていた。寒いので椅子にかけてあった幸雄の群青色の柄シャツを机や床には大量の空のエナジードリンクの瓶が散乱してあった。とりあえず、床の上に寝ている幸雄にベッドから取ってきたシーツをかけた。幸雄のまぶたは深いクマで縁取られていた。
私は、散らかっているエナジードリンクの瓶を集めて適当なスーパーの袋に入れた。
「…ん…ゆき」
「おはよう幸雄」
「うわぁー。すまん、今日デートだったよな。二徹して、今起きたところで…」
幸雄はボサボサの髪をさらにボサボサにしてた。何日前見たか忘れた彼の顔は頬の骨がさらに尖って、暗い部屋の中でも血色が悪いのは見てとれた。
「幸雄、今日、デートはいいよ」
「ごめんな、最近ゆきに何もしてやれなくて」
「だって幸雄疲れてるんだもん。しょうがないよ」
机の上のせんべいをつまみ。幸雄は机の上のタバコとジッポを手探りで見つけて、煙を吐き出した。タバコを一本吸ったら、幸雄は起き上がりベッドに座り、私をじっくりみた。
「で、何で俺のシャツ着てんの」
「幸雄の部屋がめちゃめちゃ寒いからだよ」
「あー、気づかなかった」
と慣れた手つきでクーラーリモコンで設定を30度にした。
「え、それは暑くない」
「わざとしてんだよ」
私の羽織っていた幸雄のシャツは脱がされた。私は今日着ている下着はちゃんとセットになってたかどうかなんてことをぼんやり考えていた。するといきなり幸雄に押し倒されて、抱きしめられるような形でワンピースのチャックを下げられた。
「え、ちょっと幸雄、疲れてるんじゃないの」
「うっわ、ゆき肌綺麗だ。男が服を贈る理由考えてみろ」
そう耳元で囁かれた。どうしても恥ずかしくて、幸雄から目線からそらした。
「ゆきのそういう困った顔そそられる…」
顎を掴まれて、唇で唇を塞がれた。
「我慢できねえんだよ」
幸雄は黒のシャツを脱いだ。引き締まっている上半身があらわになった。何回も触れるだけのキスをして、私が少し口を開くと幸雄の舌が侵入してきた。キスをしているといつのまにかブラを取られ、うなじを舐められた。
「んっ、幸雄、そこはダメっ…」
「やめない…」
私の足はガクガク震え始めた。
「ゆき感じてるの可愛い」
背中を撫でてくれる。幸雄は私の胸に顔を埋めて、舐め始めた。
「あぁっ、んっ。あっやめないでっ幸雄っ」
「んっ、離したくない、ゆき」
幸雄は強く抱きしめてくれた。
「幸雄、当たってるんだけど」
「わざと」
幸雄の耳を舐めて、そっと甘噛みした。
「はぁっゆき俺そこ無理なんだけど」
「そうなんだぁ」
私はにやりと笑い、丁寧に甘噛みしてうなじを舐め始めた。幸雄は勝手に私の下着に手を入れて
「めっちゃ濡れてる…」
「恥ずかしいから言わないでよ」
***
幸雄は気だるそうな仕草でゴムを捨て、タバコに火をつけた。
ブラをつけた私は幸雄の汗ばんだ背中にひたりとくっついて、タバコを一本拝借した。
「幸雄、タバコって美味しいの」
「試してみるか」
と私の咥えたタバコに幸雄は火をつけた。
「ケホッ、ケホッケホッケホッ」
盛大にむせてしまった。
「な、まずいだろ。ゆきは女の子だから吸っちゃダメだからな」
そういって、幸雄はゆっくりとタバコを吸った。
私は下着のまま
「海水浴に行きたいな」
「いいな、海水浴」
幸雄はぼんやり何か考えていた。
「私の水着姿、見たいとか思ったでしょ」
「見たくないかと聞かれたら見たいな」
幸雄は照れるように笑った。
「ゆきは俺のそばから離れないでくれよ」
寂しい顔でそう告げられた。
「心配しなくて大丈夫だよ」
私は幸雄の肩にもたれた。
***
幸雄は棚から紙袋を出した。
「これゆきに似合うと思って」
紙袋の中身には箱が入って、その中にネックレスが入っていた。ペンダントトップにはショーウィンドウに飾ってあるほど大きなダイヤが鎮座していた。
「ねぇこれ、高かったでしょ」
「内緒」
と手を繋がれベッドの上に誘われた。



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