こんばんは名前変換( 44/56 )




その日の平山さんの機嫌は最悪だった。
「ゆき俺の機嫌伺って、俺の好物作らなくていいんだぞ」
「そんな…そんなことしてないよ」
私はだまってほうれん草とベーコンを炒める。
「幸雄できたよ」
「おう」
私はだまってノロノロとおかずを口にする。しかし、幸雄は箸も持たずに、テレビのチャンネルを回していた。
「いい加減にしてよ幸雄。作ったんだからちゃんと食べてよ」
「は、作ってって言ってねえし。勝手に作ったのはゆきだろ」
と幸雄はテレビのリモコンを机に叩きつけた。
「おかしいよ、幸雄。いつもの幸雄じゃない」
「いつもの幸雄ってなんだ、オラ」
幸雄が初めてすごんできた。今日の幸雄は本当におかしい。なにか、問題でも抱えてるのだろうか。そう思い、私は
「ねぇ、ずっと疑問に思ってたんだけどさ。夏祭りの時、アカギって呼ばれてたよね。それと関係」
パチィン
私は一瞬なにをされたのかわからなかった。そうだ、幸雄にビンタされた。
「その名前は二度と口にするな。わかったな。」
「苦しい、離してよ」
幸雄は私の首をつかんで、壁に押し付けた。
「約束しろよ」
「うん、わかった。約束する。今日はちょっと間が悪かったんだよね。料理も捨てていいから」
と私は精一杯笑って逃げた。ドアの隙間から見えた幸雄はまるで糸の切れたマリオネットのようだった。



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