こんばんは名前変換( 43/56 )




幸雄は忙しくなった。組長お抱えの代打ちになったらしい。私は1ヶ月ずっと10分間幸雄の声を聞くだけのために4時まで起きていた。外の水色の明るくなりかけた空を見ていた。それでも幸雄の声を待ち望んで携帯を握りしめていた。
***
深夜、コンビニに行こうとしたら、アパートの廊下に幸雄が立っていた。
「ゆき…お…」
「久しぶり」
幸雄は私の目をまっすぐ見てそういった。初めてコンビニで出会った時よりも私でもわかるくらいに、高級な生地のシャツ、きちんとした縫製にかっちりプレスのかけられたスーツに身を纏っていた。そして、靴もピカピカだった。
「ゆき、会えて嬉しい」
「いつもパジャマでごめんね」
「それでもいい」
といった瞬間幸雄に手を引かれてキスをした。
「ごめん、我慢できねえや」
幸雄はそっぽ向いてる。でも耳が赤くなっているのは隠せていなかった。幸雄の左耳にはシルバーの繊細な彫刻のしているピアスがしていた。これだけ時が経ったんだと、自分のファーストピアスを触った。



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