こんばんは名前変換( 36/56 )




「幸雄ーっ実家帰るからなにかお土産いる」
「特産品って感じのやつ。新幹線待ってる間に買ったらいいよ。地元の友達とちゃんと遊んでくるんだぞ」
幸雄は寝ながらぷかぷかタバコを吸っていた。
「幸雄はお正月なにすんの」
「まー組の宴会に連れ回されて、代打ちだな」
タバコの灰を灰皿に落とす。重たいガラスの灰皿は、いかにも過ぎるので私が雑貨屋で買ってきた変えた少しおしゃれな灰皿だ。
「気をつけてね、幸雄」
「おう、俺はいつも通り打つだけだから」
私はそっちの世界の人じゃないからなにもわからない。でも、こんな平和な時間がずっと続いてほしい。
***
初詣
「へぇーお守りもあるんだ」
「私は安産祈願かなっ。ゆきは」
「え、安産祈願なの」
「うん。最近発覚したばっかり。私の体の中にもう一人いるの。すごくない?」
「そうなんだ。おめでとう」
安産祈願を手に取る幼馴染を見ながら、平山さんのことを考えた。平山さんと私は付き合ってない。そして、平山さんは危険な道を歩いている。じゃあ、私はどこに向かっているのだろう。
「おーい。おいおい。どうしたの。ぼーっとしちゃって」
「ううん、なんでもない。じゃあ健康祈願と交通安全にするよ」
「だよねー。定番って感じ」
幼馴染の子供が産まれたら、おばさんって呼ばれるのだろうか。それはちょっと嫌だな。とかそんなことを甘酒を飲みながら考えた。



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