こんばんは名前変換( 34/56 )




「フィレのステーキとローストビーフでございます。ローストビーフにはこのソースをおかけください」
「わー、美味しそう」
店員さんはにこりと微笑んだ。
「平山さん、こんな美味しい肉、半年、一年前くらい前にしか食べたことないよ」
フィレのステーキを食べながら平山さんに感動を伝えた。
「一年って、大袈裟だな、ゆき、ほらやるよ」
と平山さんは一切れローストビーフを私の皿に置いた。
「え、大切なローストビーフくれるの」
「ゆきのほうが大切に食べてくれるだろ」
平山さんはニッと歯を見せて笑う。
「了解です、ちゃんと丁寧に食べますよー」
フィレのステーキを一口に切りながら笑った。
「ローストビーフ食べねぇの。冷めちまうぜ」
「好きなものは最後に取っとく主義なの、私は」
「好きなものはさらわれちゃうかもしれないぜ」
「平山さんはそんな意地悪な人じゃないでしょ」
「ん…そうかな…」
平山さんははにかんだ。
「食後のデザートでごさいます。コーヒーか紅茶どちらにいたしましょうか」
「俺はコーヒーブラックで」
「私はミルクティーで」
「かしこまりました」
食後ののデザートを食べ終わり、休憩していたところで、
「ゆきこういうの好きかなと思って」
と机の上に差し出したのは丁寧にラッピングしてある小さな箱だった。
「開けてもいい」
「もちろん」
箱を開けるとキラキラ輝く小粒のネックレスが入っていた。
「俺の稼ぎじゃ、これくらいのしか買えなくて」
「私、もらえただけで嬉しいよ」
平山さんの表情がパッと明るくなる。
「あのね、よくわからないけど私なりに考えたプレゼントなんだけど…」
と紙袋を出した。
「あーハンドケアセットか。俺男だし、欲しいなあとは思ってたからほんとありがてえよ」
「ここまで喜んでくれるとは嬉しいよ、そろそろお暇しよっか」
「ああ」
「俺がご馳走したいから俺に奢らせて」
「ありがとうね」



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