こんばんは名前変換( 32/56 )




レストランに入ると、
「予約した平山です。二人で」
「はい、予約なされていた平山様ですね、かしこまりました。コートはお預かりしてもよろしいでしょうか」
と店員にコートをあずける。席に着いた途端私は
「すごいねぇ。お皿の上に綺麗にナプキンが立ててあるし、こんなレストラン叔母さんの結婚パーティー以来だよ」
平山さんは慣れた手つきでひざにナプキンをかける。私も見よう見まねでナプキンをひざにかける。
店員が
「お飲み物はいかがにしましょうか」
「俺は帰りも車だからお冷かな」
「私もお冷ください」
「かしこまりました」
店員は去っていった。
「ゆきおまえはなんでも飲んでもよかったんだぞ」
「でも、お食事の味を大切にしたいから、ね」
***
薄く切った鴨、テリーヌ、サラダには二種類のソースがかかって、バランスよく並べられていた。
「いただきます」
鴨は鶏とは違った旨味があり、テリーヌは初めて食べたけれど想像以上の に美味だった。テーブルの真ん中の籠の中にある丸いパンが美味しくて止まらなくなった。
「ゆきあのパンはレジ横にあるから買ってやるから、食べすぎるな。次の料理を待ってろ」
「はーい」
料理が来るまでじっと丸いパンを眺めた。
「そんなに気に入ったんなら帰りに買ってやるから」
「本当。平山さんって優しいんだね」
「おめぇよお。俺はいっつも優しいだろ」
「…うん」
私は満面の笑みを浮かべられた気がする。



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