こんばんは名前変換( 29/56 )




「いえーい」
かんぱーい。
「クリスマスまであとちょっとって思うと、今年も終わりって感じするわねー」
カナッペをつまみながらゆかりはワインを飲む。
「私は今年なんもなかったなぁ」
「私も、かな」
あやに合わせて私も言う。
「ゆき〜どの口が言ってんのよー」
「ゆきにはちょいワル王子がいるじゃない」
この面子に平山さんがバレたら大変なことになるに違いない。と思いながら、
「あの人は従兄弟でちょっとグレてた時期もあったけど昔からお兄ちゃんみたいな存在で…」
こうなったら嘘を塗り重ねるしかなかった。突然、平山さんから電話がかかってきた。
「電話かかってきたから席外すね」
「おーあの噂の従兄弟かぁー」
「ほんっと少女漫画みたいだよねぇ」
場酔いしたうるさい女どもは無視して電話に出た。
***
「もしもし、俺だけど、外騒がしいけど大丈夫。掛け直す」
「大丈夫ですよ!!」
「どしたんだよ。まーいいけどさ、26とか空いてねえ」
逡巡してサークルの忘年会があるのを思い出したけれど、サークルの忘年会より、デートの約束だ。
「よかった。ギリギリで申し訳ねえ。断られたって思ったら心の準備がな」
「そっか」
「当日目一杯おしゃれしてこいよ。じゃあな」
26日は平山さんとデート。自然に口角が上がる。
***
「どうだった、彼氏との電話は」
「予定ができたんならこんな女子会抜け出して行ってきなさい!」
「そのかわり、報告よろしくね」
やっぱりこの連中に平山さんのことをバレるわけにはいかない。



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