こんばんは名前変換( 24/56 )




帰って、夏祭りに当てたおさるのぬいぐるみのとなりにミッキーとミニーのぬいぐるみをおく。ほかの、プレゼントを開くとスノードーム、新作のグロスが入っていた。
「はあ、今日、自分でも自分の誕生日忘れちゃったなぁ」
リビングに横たわる。
すると電話がかかってきた。平山さんからだ。ずっと鳴っていたのでとった。
「もしもし、ゆきこの時間だっら時間空いてる?」
「あいてるけど」
「今からいつもの公園に来て」
ビンタした手はとっくに痛みなどなくなったが、平山さんにフラれた傷は治ってなかったのかもしれない。でも、プレゼントでもらった新作のグロスを唇に塗って家を出た。
平山さんはベンチの上でもう一本のタバコに火をつけようとした時に、私の物音で振り返った。
「ごめんっ、平山さん」
私は頭下げることしかできなかった。
「俺も悪いんだ。座って」
気まずいけれど座るしかなかった。
「ゆきから告白された時本当にうれしかった。今時ちゃんと告白する子って意外と珍しいからな。だから、もし、俺みたいなヤツが彼氏だったらよくねぇんだよ」
「そっ…か…」
「ゆきはちゃんと大学卒業して、ちゃんとした会社に就職してほしい。その手伝いならなんでもする。これで、おしまいでいいか?」
「…わかった。平山さんも断った理由をちゃんと言ってくれてありがとう」
「それとお前、誕生日だろ。いらなかったら捨ててくれ。じゃあな」
平山さんはタバコに火をつける。私はアパートの部屋に走って帰った。
プレゼントの包装紙を破ると、憧れてたブランドのキーケースに鍵が元々取り付けてあった。
手紙には(この前のことは悪かった。でも、今麻雀に関われて嬉しいからこの生活は手放せない。ゆきをいろいろなやっかいに巻き込みたくないって気持ちも本当。これは俺ん家の合鍵。いらなかったら捨てて。ハッピバースデーゆき幸多からんことを)
と相変わらず神経質が滲み出ている達筆で書かれていた。
鍵を手にした私はワクワクし始めていたのを、自覚してなかった。



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