こんばんは名前変換( 23/56 )




思い通り行くと思ったのにと、自己中心的に動いた私の右手を恨んでいた。平山さんの少し骨ばった頬の感触を右手が記憶してしまったのを後悔していた。
***
「ねー、ゆき、休日ランチしよ」
サークルの同期が誘ってきた。
「ゆかりとひなと私とゆきのメンツでさ。最近ゆき暗い顔してるじゃん。何があったか知らないけど、みんな心配してんだよー?」
「そっか。ありがと」
やはり持つべきものは友だ。
***
パスタを食べ終えて、私は他の子たちがデザートを頼むかどうかを待っていた。すると突然、
ハッピバースデートゥユー
ハッピバースデートゥユー
ハッピバースデーディアゆき
ハッピバースデートゥユー
私の目の前にケーキが来た。
「あ、私、誕生日だったんだ」
「何言ってんのよ、願い事してろうそく吹き消しなよ」
「う、うん」
大した願いもせずにろうそくを吹き消してしまった。
「私からプレゼント」
「私からも」
「ほらほら」
色とりどりのラッピングにつつまれたプレゼントを見回した。
「あっディズニーのあるじゃん」
「彼氏とディズニーデートしてきたから、幸せのおすそ分け」
「嫌味だなぁ」
女子たちはきゃらきゃら笑う。
「ゆきの目標は」
「まー恋活って感じかな」
右手のネイルをいじる。
「彼氏の友達紹介しよっか」
「彼氏持ち抜きで合コンでしょー」
「○○大だったら紹介できそう」
「そんな、急がないよ」
と言いながらも久しぶりに表情筋が緩んだ。



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