こんばんは名前変換( 21/56 )




「ゆき最近機嫌良いけどさ、なんかいいことでもあったの」
「別に」
お風呂上がりに平山さんに電話するのが日課になっていた。電話の内容は大学の授業がつまんないとか、サークルの変な先輩の話とかそんなたわいもない話だ。平山さんの仕事の都合で出られなかった日は目の前がくすんで見えた。それぐらい、今の私は平山さんのことで頭がいっぱいなのだ。
***
お風呂から上がってぼんやりしていたら、平山さんから電話がかかってきた。
「ゆき?起こしちゃったか」
「ううん、いまから寝るところだけど、ギリ起きてるよ。どしたの、平山さん」
「別に」
「答えになってないんですけど」
「ゆきの声が急に聴きたくなったから」
ほほが熱くなるのを感じる。
「…」
「…引いたか。ゆき」
「引いてないよ、平山さん!平山さんだったら24時間大歓迎だよ」
私は思わず食い気味に答えてしまっていた。
「お前なぁ、ほかのやつにもそんなこと言ってないだろな」
「…ばっか。平山さんだけだよ」
「早く寝ろ。夜更かしは美容の天敵だぞ」
「えっ平山さんからかけてきたくせに…」
電話は急に切られてしまった。今夜はいい夢が見られますように。



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