Dream?Real?
「リアルすぎて焦っちゃってさ、一夜? うわっ!」
なるべく気まずい空気を作らないように、明るく笑いながら話していたが、一夜が急に三森を担いで三森の部屋へと歩き始め、三森はパニックに陥った。
そのままベッドへと三森を降ろし、一夜は三森に覆い被さる。ばくばくと心臓が脈打つ。デジャヴ。まだ夢を見ているのだろうか。そんな錯覚を起こしそうになる。
「いち、や……?」
「明日は学校休みだろ? 試しに一回やってみるか?」
ニヤリと笑みを浮かべた一夜に、三森は顔を引き攣らせた。
――これも夢だったりしないよな。
ずっとそんなことを考えながらも、三森は自身の性器を咥え舐める一夜の姿にぐっと息を詰めた。サイドテーブルから通常であるならば、一夜が使われる方であるはずのローションを取り出した。
「痛かったら止めるから言えよ?」
「う、ん……」
結局一夜に逆らうことは出来ず、また、いくらスポーツをしているからとはいえ一夜にばかり負担をかけているのも申し訳ない気持ちになり、初めての受け身を体験しようとしている。
ゆっくりと挿れられた人差し指は、痛みは多少あったものの異物感の方が強く、三森は不快そうに顔を歪めた。それに気づいた一夜は、空いている左手で三森の性器を上下にゆるゆると刺激し、後ろへの意識を逸らす。
スムーズに動くようになってきたら、もう一本さらに三森の中へと慎重に挿れる。
「いち、や……いちや……!」
ぞわぞわとした慣れない感覚に、不安なのか名前をしきりに呼ぶ三森に、一夜は大丈夫だと口づけた。あぁ、夢でも現実でも一夜は優しいな――なんて考え事を三森がしている間にも、一夜は丁寧に三森の身体を慣らしていく。
ぐちゅぐちゅと響く水音に三森は顔を真っ赤に染めながら、いつまで続くのだろうかと思った。その瞬間、ぞわりと震えが走った。
「ひぁっ!」
「ここか」
反射的に、ぎゅっとシーツを握りしめた。震える足でベッドを蹴って、上へ上へ逃げようにも、じたばたともがくだけの行為に終わった。
「あっ、あ、んんぁっ、いち……まって!」
「気持ちいいか?」
「これ、やだっ……! あ、あっ!」
目を潤ませる三森に、一夜は口角を上げた。三森の性器の根本を射精出来ない程度に握り、後ろの前立腺をひたすらくるくると撫でる。
すると、三森はイヤイヤと頭を左右に振り乱し、細い腰をしならせ、より一層喘いだ。
「いちやっ……い、ち……ふっうっ……! いちやぁっ」
感度が良すぎるのか、与えられる刺激に三森は大きく身体を震わせる。ぐずぐずと泣き出した三森に、一夜はやり過ぎたか、と三森を起こして膝の上に乗せ、よしよしと背中を撫でた。
「くるし、も……イきたい……」
「悪かった」
ふるふると震えている三森の性器を素早く上下に扱けば、すぐにびゅるりと欲望を吐き出した。と、同時にくたりと凭れ掛かってきた三森を見れば、余程疲れたのかすやすやと眠っていた。
「……とりあえず片付けるか」
一夜は中途半端な気分に悶々としながら、一人片付けへと向かった。
翌朝、三森が一人百面相しているのを見ていた一夜が、しばらくの間そのことをネタにからかっていたりする。
END