▼ 0721
風紀委員会は先週から身嗜みチェック強化週間とやらをしている。なんでも、長期休み明けで気の緩んでいるところを一網打尽にするのだとか。
それのおかげで、委員長である恋人は忙しそうにしている。毎日毎日鬱陶しいくらいに構いに来ていたのが、空き時間に少し顔を見にくる程度に減った。一人の時間を邪魔されず、のんびり昼寝ができてラッキーなはずだった。
「んっ……クソ、な、んで……」
もともと淡白な方で、勃ってしまったら抜くような作業じみた感覚で抜いていた。それが、どうだ。久しぶりにキスをされて、思い出して、ムラムラして仕方がないなんて。
さっさと出してスッキリして寝ようと、機械的に手を上下に動かしているものの、なかなか昇り詰めることができずにいた。単調な刺激では物足りない。もっと弱い先のくびれを擦って、ナカの奥の方まで突かれながらーーそこまで考えて、頭を振る。
「ク、ソ……クソッ……」
先走りでぐちゃぐちゃになった指を後ろに入れようとして、踏み止まる。そんなはずはない、気のせいだと自分に言い聞かせて、はち切れんばかりに膨れ上がった性器へと手を戻す。
「いいのかよ、後ろ触らなくて」
「はっ……?」
急に声をかけられて、勢いよく顔を向けた。そこにはいつの間にか恋人がいて、ニヤニヤと楽しそうに笑っている。
「い、つから……」
「さぁな?」
「勝手に入ってくんなっつっただろ」
「食べ頃かと思って来たら予想以上だな」
距離を詰められて、ベッドに押し倒される。手を掴まれたと思ったら、そのまま性器を握らされ息を詰めた。
「お前が気持ちよくなれるとこはここ」
強制的に自慰をさせられる。先を親指でくるくると弄られ腰が浮く。
「でも、足りないだろ?」
違う、と否定する言葉が出るより早く、ナカに指が入り込む。そうして、いとも容易く弱いところを探り当てる。
「あ、ぁあっやめ、ろッ」
「きもちぃな」
「よくな、くっぁ…んんッ!」
チカチカと星が舞う。一人の時とは比べ物にならない快感がどっと押し寄せて飲み込まれた。
「いっぱい出したな」
「るせぇ、黙れ消えろ」
「素直じゃねぇなぁ」
難なく拳を受け止められ舌打ちする。
「途中でへばんなよ」
今日は安眠には程遠いようだ。
「あぁあッも、むり、やめッ」
「俺がイクまで頑張れ、ほらいい子いい子」
「ヒッ……ア、ぐッぁあ!」
プシ、と馬鹿になったモノから勢いよく潮を噴く。それでも前を扱く手も突き上げる腰の動きも止まらない。
騎乗位は苦手な奥まで簡単に許してしまう。だから散々嫌だと暴れてみたが、与えられる快楽に乱されている間に気づけばこの様だ。
「こ、の遅漏ッ」
「まだ余裕があるんだなァ?」
「あぐッ、っは、ぁあ」
「気ぃ飛ばすなよ」
ぐぷん、とさらに奥まで入り込む。息の仕方も忘れて、開いたままの口から乾いた音だけが鳴る。
気を飛ばすなと言われたが、あまりにも強すぎる刺激を与えられてそれどころではない。気絶してしまいたいくらいの強烈な快感に、身体の震えが止まらない。
「ああッや、ぁあ!」
「やっとドライでイッたか」
「ひぐッ、あ、また、やめ……っあああぁ!」
「くっ、キツ……!」
ぐるんと景色が回る。背中に回された腕に引き寄せられ、そのまま腕の中に閉じ込められた。
指一本動かす体力も気力も尽きている。さすがにこれ以上は無理強いしたりはしないだろうと、殴るのは明日の自分に任せて意識を飛ばした。