マジバケ5つ星 | ナノ


それからは、いつも通りの時間が過ぎていた。
いつものように授業が始まり、休み時間には皆で会話をして過ごす。
まるで昼休みの出来事は最初から無かったかのようにごく普通の時間が過ぎていた。
マドレーヌがシャルロット達を放課後に禅部屋へ呼び出す前までは。

「皆、来たのね。」
「マドレーヌ先生!これからなにをするノ?」

皆を代表してチャイが問うと、マドレーヌは生徒達を見てようやく口を開けた。

「あなたたちに戦い方の基本を教えておきます。普通の戦いじゃないからよーく聞いておいてね。宇宙での戦い方よ。」
「宇宙での戦い方!?」

ポモドーロを含め、全員が驚きを隠せなかった。
何故宇宙での戦い方を学ぶのか、自分達も宇宙へ行くのか等、聞きたい事は山ほどあったが今のマドレーヌにはそれに全部答える余裕が無い。
宇宙での戦い方に関する講義は予想以上に長かった。各属性の魔法の相性、5つの星とその加護による魔法、前衛と後衛による魔法の違い等、それらを全部実践で習得した時は辺り一面が暗くなろうとしていた。

「これでレッスンは終わりよ。今学んだことは冒険の手引きにすべて書いて置いたから、必要な時に読むと良いわ。それさえあれば宇宙に出てもきっと大丈夫よ。」
「先生!宇宙に出るって!?私達が!?」
「先生とボク達と宇宙に行っちゃうノ?」

生徒達の問いに、マドレーヌは首を横に振った。

「宇宙へ行くのは私だけよ。でも……胸騒ぎがするの……。もしもの時のためにあなたたちにすべての技術を伝えておきたかったのに。」
「モシモノコトッテイッタイドウイウコトデスカ!?」
「わからない……何か良くないことが起きる……。そんな気がするだけ……。」

普段とは違って真剣に話すマドレーヌに、シャルロット達はこれ以上何も話せなかった。

「最後に一言だけ覚えておいて。あなたたちには力がある。その力を信じて。」

そう言ってマドレーヌは、目の前の生徒達に向かって柔らかい笑顔を見せた。

 
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