マジバケ5つ星 | ナノ


担任の遅刻と言う学校にあるまじき出来事がありながらも授業を終えて昼休みに入った頃、たくさんの生徒達が廊下を歩いていたり、話をしていたりする中、ジャスミンとカフェラテは何故か職員室の前でニヤニヤしていた。

「ウシシシシシ……見て見て!マドレーヌ先生、校長に怒られてるよ!」
「30回モチコクシテルカラナ。クビカモ シレナイゾ。」

話題になっているのは担任のマドレーヌ。
生徒ではない教師が授業に遅刻するという何とも呆れた行為をするマドレーヌに校長も見逃すことが出来なくなっていた様だった。
そんなマドレーヌの惨めな姿をもう少し観賞していようと職員室を覗いていた2人だったが、時間が経つに連れ、だんだん顔から笑いが消え去っていた。

「あれ?ジャスミン、カフェラテ?そこで何してるの?」

そこら辺を歩き回っていたシャルロット、ポモドーロ、シュガー、チャイが2人に気づき、シャルロットが声を掛けるも2人は未だに神妙な顔で職員室を覗いていた。

「どうしたの?」

2人の近くまで行き、今度はシュガーが声を掛けると、ようやく4人に気づいたジャスミンが振り向いた。

「なんか、変な話になってる……。」

ジャスミンの言葉に疑問を抱き、シャルロット達は職員室に耳を傾けた。
ドアの隙間から少し見えるマドレーヌは普段とは違って深刻そうな顔をしている。

「マドレーヌよ……これはお前にしか頼めない事だ。生徒たちのことは私に任せて、行ってきてはくれぬか?」
「風の星・コットンへ…ですか…?」

風の星、その言葉を聞いたシャルロット達はお互い顔を見合わせていた。
風の星を含め、宇宙にある星は今までただのおとぎ話だと思っていたのに、それが実在し、そこに自分達の先生が行くのだと言うのが未だに信じられなかった。

「そうじゃ……。そこで、ある魔法使いの動きを探ってきてほしいのだ。」
「ある魔法使い……?」
「…かつてお前の教え子だった魔法使い、ジン・レオだ。」

校長が名乗りだした魔法使いの名を聞き、マドレーヌは思わず目を見開いた。

「奴は宇宙海賊を支配下に置き、色んな星で悪さをしていると情報が耳に入った。
奴は卒業生の中でも抜きん出た力を持っている。場合によっては奴と戦うことにも…」
「ジン・レオが?……あの優しかった子が、何故……?」

そんな事あり得ない、と言ってるような表情になっているマドレーヌ。
そんな彼女と校長の話を聞いてとうとう我慢が出来なかったのか、ジャスミンは思いっきりドアを開けて職員室に入って行った。

「マドレーヌ先生!『風の星・コットン』に行くって、何なのそれ!?一体何のコトなの!?!?」
「先生!話ハ全部聞カセテモラッタ!場合ニヨッテハ戦ウトカ!?宇宙海賊ダトカナンダトカ!?!?ドウイウコトデスカ!?」

職員室に入るなりマドレーヌに問い詰めるジャスミンとカフェラテ。
その後ろを付いてきてるシャルロット達もかなり不安そうな顔でマドレーヌを見つめている。
次々と質問をしてくる生徒達を宥めようと、マドレーヌはいつも通り笑顔になった。

「大丈夫!大丈夫よ皆!心配しないで!」

生徒達を安心させようと必死になるマドレーヌだったが、シャルロット達は未だに不安な気持ちが晴れなかった。
そんな中、課題を持ってきたノアゼットが職員室に入ってくると、普段見ることが出来ない光景に眉をつり上げた。

「何やってんだお前等?」
「ノア、丁度良かった。皆を教室に戻してくれる?」
「はぁ?」
「お願いね。」

いつも通りにこやかに笑うマドレーヌだったが、ノアゼットは何故かその笑顔に違和感を感じた。
だが、これ以上問い詰めるのは良くないと判断し、ノアゼットはシャルロット達を連れて教室へと戻って行った。

 
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