マジバケ5つ星 | ナノ


「マジックドール以外の相手?」
「うん。ノアゼットの言う通り、魔法の実戦はマジックドールだけでやってたから、それ以外の相手で実戦をしてみたら魔法の実力も上がるんじゃないかなって。」
「まあ、理屈は合ってるけど…」
「魔物ヲ呼ブ装置ハ許可ガナイト使用禁止ダゼ?」
「んじゃ、うち等で実戦をしてみるのは?怪我しない程度でやればきっと…」

宇宙での戦い方をより上手く出来るように方法を考えていたシャルロットは、禅部屋でシュガーとカフェラテと一緒にその事について相談をしていた。
多少雑でありながらも懸命に意見を言い合う中、その会話を止めたのは突然禅部屋に入って来たポモドーロとチャイだった。

「いないな……。」
「うん、ここにはいないノ。」

まるで誰かを探しているかのように辺りをキョロキョロするポモドーロとチャイ。
そんな2人を見た3人は疑問を抱いてるかのようにお互いを見つめ、やがてシュガーがポモドーロに尋ねた。

「どうしたの2人とも。誰か探してるの?」

シュガーの問いにポモドーロが振り返り、真剣な表情でシュガーの問いに答えた。

「ジャスミンを探してるんだ。あいついきなり宇宙に行くとか言って飛び出しちまって……」
「宇宙!?」
「宇宙ナンカニナニヲシニ!?」
「ジャスミンったらマドレーヌ先生を探しに風の星に行くつもりじゃないノ?マドレーヌ先生が 3ヶ月も帰ってこないのは危ない目にあってるからに違いないノ。」

ポモドーロとチャイの答えに全員が唖然としていた。いなくなったマドレーヌが心配な気持ちは解るが、だからと言って何の手がかりも無しで宇宙行くと言い出すのは実に無防備な事だった。

「気持ちはわかるけど、だからって宇宙なんかどうやって…あ……」

呆れたように語るシュガーだったが、突然何かを思い出したかのように表情を変える。

「シュガーさん??」
「どうした?何か知ってるのか?」

シャルロットとポモドーロシュガーに問うたが、シュガーはそれに返事する事なくカフェラテに顔を向けた。

「ねぇカフェラテ?確かこの学校のどこかにロケットが隠されてるって噂があったよね?」
「ン!?ロケット!?タシカニソンナ噂モ聞イタコトアルケド……」
「それだ――――――ッ!!」

カフェラテの言葉を聞き、ポモドーロが突然大きな声を出した。

「それに違いない!チャイ!行くぜ!ロケットだ!学校中くまなくシラミつぶしにロケットを探すぜ!」
「お〜!!探すぜ〜!なノ!」
「待って。あなた達二人じゃ心配だわ。私も行く。」

実に慌ただしかった状況はポモドーロとチャイ、そしてその2人に付いていったシュガーが出ていくことによって落ち着きを取り戻した。

「学校ニロケットガカクシテアル??ソンナアホナ……」

多少信じがたい内容ではあるが、もしその噂が本当ならばマドレーヌを探しに行く鍵となれるかもしれない。そう思ったシャルロットが立ち上がり、カフェラテはそんなシャルロットを不思議そうに見ていた。

「ロッティモロケットヲサガシニイクノカ?」
「うん。ジャスミンも気になるし、もしかしたら本当にロケットでマドレーヌ先生の所に行けるかもしれないから。」
「ワハハ!!ソウコナクッチャ!!オレモイッショニ行クゼイ!」

陽気な声で笑うカフェラテもロケット探しに加担し、先程まで騒がしかった禅部屋は途端に静かになっていった。

 
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