マジバケ短編 | ナノ


キャンディ視点/放課後、2人でお買い物

新しい友達が来ると聞かれてかれこれ1ヶ月が経った。
私たちのクラスにやって来た転校生を見ようとやって来た他のクラスの生徒達もいなくなり、いつもの学校生活が始まっていた。
そう言えば、私が来た時もそんな感じだったなぁ。
皆に家とか、好きな物とかいろいろ聞かされたり、講義室を案内してもらったり。

放課後、その転校生であり、親友であるミエルと一緒に買い物に行った。

「ほら!これ、絶対似合うよ!」
「……ドレス…。」
「もう!女の子なんだからこうゆうのも着てみなきゃ!」

ミエルが今着てる服と同じ色のドレスを差し出すと、ミエルはただじーっとそれを見つめていた。
本人が言うにはドレスやスカートは普段はあまり着ないらしい。

「これとかいいかも。」
「魔女みたいじゃない!!」
「…そうかな?」

紫色の服をただじっと見ているミエル。そんな物着たら周りにいる子供達が怖がるわよ。

色々と言い合う内にミエルが買ったのは私が選んだのとミエルが選んだの両方だった。
短いドレスを着てるミエルの顔はそれはもうりんごみたいに真っ赤。

「うぅぅ…。」
「似合ってるじゃない。明日これ来て学校に行ったらどう?」
「やだやだやだ!!」

いくら嫌だからってそんなに首を振らなくても…。

「それじゃあ早速行きますか?」
「……??」

目をパチパチとさせているミエルを連れ、私達が行った所は

「雑貨店?」
「そう!!私がよく行く所なの!!最近新しいハンカチが出たらしいからこれは見逃せないでしょ?」

以前私の部屋に来た時、ミエルが壁に掛かったハンカチを見て固まったのを思い出すなぁ。
それにしても綺麗なハンカチがいっぱい!!何にしようかなぁ。
「ねぇ、ミエル。これとか…」

「うわあああ!!かあわいい!!!」

どれがいいのか聞こうと振り向いた時、ミエルは大きなテディベアを抱きしめながら大声で叫びだしていた。
洋服屋に居た時と正反対じゃない。

「これ下さい!!」

と言う声が店に響き、後に沈黙が続いたのはレジの音が鳴った後のこと。


「もう!!あんな大きかったら高いに決まってるじゃない!!」
「だって…欲しかったんだもん。」
「せめてぬいぐるみを買うお金で他の物を買ったらどう?」

結局あのテディは買えず、紫色の服が入った袋を持ってるミエルはしょんぼりとしていた。
本当ミエルはぬいぐるみに目が無いんだから。

「でもいいじゃない。可愛いもの買えたんだから。」
「……うん。」
「じゃあ、明日はこれ着て学校に来てね!!」
「え?…えええ!?」

その次の日、本当にその服を着て来たからちょっとびっくりしちゃった。
ペシュやアランシアに服を引っ張られたり、カシスやシードルに色々言われたり大変だったかも知れないけど。
でも、それなりに楽しんでるようだったし、今度またミエルと買い物行こうかな?

END

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