「どこ行ったのかな?」
「どうせあのお菓子屋だろう。あいつは甘いもんには目が無いんだ。」
別の所に行ったロランスを探して数分後、何処からカランコロンと言う音が鳴り出した。
「大当たり〜!!兄ちゃん、運がいいねぇ!!」
「おお!!やったぁ!!」
音の正体はとある店のおじさんが鳴らしたベルの音であり、その店でロランスが嬉しそうに叫んでいた。
見た所何かのくじみたいなものをやって凄い物を当てたようだ。
「あ、おーい!!見ろよぉ!!すんげぇの当てたぜぇ!!」
ロランスは店のおじさんから貰った物を持って来てルークとフウカのいる所へやって来た。
ロランスが手にしたのは海のように青い宝石が飾られた銀色の首飾りだった。
その首飾りを見るなりルークはかなり面倒そうな顔をした。
「何だよ〜反応薄いなぁ。これが何なのか解るのか?これはなぁ『ルナスカイ』と言う、すんげぇ〜珍しいもんだぜぇ!!」
「そんな珍しい物を、あの小さい店で売ってると本気で思ってんのか?」
「ったく、見る目無いな。そんなに言うなら確かめてみろよ!!」
そう言ってロランスは首飾りをルークに渡した。
確かに、その首飾りは細かい所まで丁寧に細工されていて、本物だと言うとつい騙されてしまいそうなほどだった。
だが、ルークは未だに信じてるようには見えなかった。
「どうせ、腕のいい職人が作った偽者だろう。こんな物のためによくあんな所に行くな。」
「ちぇっ、つまんねぇ奴だな。いいよ信じなくても。どうせ俺のなんだし。」
「で?それ当てるために、お前いくら使ったんだ?」
「え?」
一瞬、ロランスが黙り込んでしまった。やや不自然な笑顔、所々流れてく汗、どうやらかなりのお金を使ったようだ。
「え、ええ…と。大体、3カル…位?」
「……。」
ロランスを見つめるルークの目がだんだん鋭くなって行った。
この世界のお金に付いて説明すると、ロット、ジェム、カルの単位があり、1000ロットが1ジェム、10ジェムが1カルになる。
要するに、ロランスは30000ロットと言うかなりの大金を使った事になるのだ。
視線がますます鋭くなっていくルークに、ロランスは恐怖を感じた。
「ま、待て待て!!別に損した訳じゃ…」
「黙れ。」
「ぎゃああああ!!!」
一瞬、ロランスの上から黒い雷が落ち、真っ黒焦げになったロランスはその場で気絶してしまった。
あまりにも唐突で悲惨な光景を見て、フウカの身がブルリと震えた。
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