千年の出会い小説 | ナノ


「……。」
「また見てたのか?ったく懲りねぇ奴だな。」
「…痛い。」

学校の教室、ルークは鏡の前で頭を抱えたまま蹲っていた。
その後ろではロランスが杖を持ったまま呆れそうにルークを見ている。

「つーか何見てんだ?面白い物があるなら俺にも見せろよ。」
「見てる暇あるなら勉強でもしたらどうだ?」
「るっせぇな…。今回はそれなりによかったんだぜ。」
「実技は低で、筆記はぎりぎり平均以上がか?」
「あーもう、お前はいつでもトップでいいよなぁ。」

成績の差が激しすぎる幼馴染に不満を抱えるロランス。
彼の唯一のストレス解消の方法はルークの頭を殴る事だけのようだ。

「それはそうとさ。エルゼの事どうする?」
「エルゼ?あいつがどうした?」
「冷てぇな。あいつ試験が終わるなり泣いてたんだぜ。」
「お前が励ませばいいだろう。」

ルークの言葉を聞いた途端、ロランスの顔が真っ赤になった。

「お、俺が?」
「あいつの事気になるなら行けばいいだろう。」
「無理無理無理無理!俺は絶対無理!」
「案外、成績悪いお前がいるから安心するかもしれないぞ。」
「何だよ!!結局それが言いたかったのかよ!!」
「悪いか?」
「だぁームカつく!!悪魔だ!!お前は悪魔の子だ!!」

思う存分叫び出すロランスを無視し、ルークはロランスを通り過ぎた。
ロランスの叫び声が納まった時はすでにルークの姿は教室から居なくなっていた。



 
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