マジバケ小説 | ナノ


ドワーフの村、ゲアッツァ村は大きな工場、キード・モンガを中心にした村である。
見ただけでも立派なキード・モンガとは違って村はまるで貧しかった過去の村の様に古かった。
建物はボロボロで、村のあちこちにはガラクタが散らばってる。

「寂しい所ですの。」
「ぴぃ……怖いっぴ。」

オンボロな村を後にしたミエル達は早速キード・モンガへ向かった。
と、そんな中、ミエルは建物から離れないドワーフに目が移った。
そのドワーフは空を見つめていて、溜息混じった声でぶつぶつと独り言をしていた。

「キード・モンガに入れりゃなぁ〜、エンジンカッターでも油圧プレスでも、なんでもあんだけどよ〜…。」
「…はい?」
「あ、いやいや、こっちの話だべさ。」

目の前にミエルがいることに気付き、ドワーフは慌ててそっぽを向いた。
まるで、何かを隠しているかのように。

「んご…。んごご……。」

突然、建物からいびき声らしき声が聞え、ミエルがそこに近付いた瞬間、ドワーフが叫びだした。

「そこに触るんでね!!そこには、コワ〜い魔モノが閉じ込めてあるだ!!」

確かに魔物のように低い声だった。だが、何故かそんなに恐怖が感じられない。むしろ馴染んだ声だった。
ちらっとドワーフを見てるとかなり汗まみれになっている。怪しいと思い、壊れかけたドアへ手を伸ばそうとした時だった。

「何やってるの?さっさと行くよ!!」

すでに遠くまで行ったレモンが怒鳴り、ミエルもレモン達に付いてキード・モンガへ向った。
遠ざかる彼女を見てドワーフは安堵の息を吐いた。

「危ない、危ない。あんな奴が相手じゃ、とても勝ち目が無い。
宿主としてはかなり惹かれるが、中にあれがいるんじゃあなぁ……。」

キード・モンガの入り口には3人のドワーフ達がいて、それぞれ自分達が作った武器について長く語った。
そして、真ん中のドワーフがカフェオレを見ると目を輝かせ、ミエル達を中に入れてくれた。

「今日のカフェは王様ね。」
「エヘン!」
「ネズミ如きに買われたくせによ。」
「……シクシク。」

ドワーフに優遇され、鼻が高くなっていたカフェオレだったが、レモンのせいで落ち込んでしまった。
それはそうであれ、ようやくキード・モンガに入れるようになり、ミエル達はカフェオレを改造する人がいる所へと向かった。

「改造したらどんな風になるのかな?」
「今よりマシになるんじゃないの?」
「ガビーン!!」

カフェオレが石化した。どんな形になるであれカフェオレが改造される時が楽しみだ。

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