マジバケ小説 | ナノ


エニグマにキルシュを攫われ、残りの3人は彼等を追ってようやく洞窟を抜け出した。
そんな3人を出迎えたのはまぶしい光と涼しい風、そしてその辺をぷらぷら歩いている木のお人形さんだった。

「あらあら、今日はみかけない人によく会う日だわ。」
「???パペットだっぴか?」

首を傾げてるピスタチオの質問にアランシアが答えた。

「ここから少し行くとパペットの村があるの。」
「まぁ、よくご存知だこと。さっき、黒いフードを被った人をトルーナ村で見掛けたけどその人のお知り合い?」
「黒いフード……セサミ?」
「ガナッシュだっぴ!」
「多分ガナッシュね!私達の友達です!!」

黒いフードの人物と聞いて違う人物を思い浮かべる2人と1人。それが誰であれクラスメートの1人なのは確かだ。

「他に私達と同じ年位の子見ませんでした?」
「そうねぇ…この辺では見かけないけどワクティ村の辺りで見かけたって人がいたわよ。」

愛の大使の村、ワクティ村に行くには空中に浮かんでいるベナコンチャ遺跡を通らなければいけないらしく、遺跡はトルーナから西の方にあるらしい。
ワクティ、ベナコンチャ、トルーナ。この3つの言葉が次々と頭の中で泳いでピスタチオは思わず

「頭こんがらがってきたっぴ!」

と叫びだした。

「まあ、今はトルーナ村でキルシュ達を探してみよう。」
「うん〜。キルシュ無事だといいけど…。」

頭から足まで木で出来ている可愛らしいパペットの村。ミエル達はその村、トルーナに辿り着いた。

「で、どうする?村の人にキルシュを見たか聞いてみる?それともナイトホークを探す?」
「う〜ん…キルシュも心配だけど、ガナッシュを先に探そう〜。彼がいればエニグマだって簡単にやっつけられるし。」
「そうだっぴ。そんなに遠くに行ってないはずだっぴ。」

と言いながら探して見つけた事わずか数秒間。

「あ!ガナッシュ〜!」

アランシアが手を振りながら見てる方向には村の中で一番大きな家があってそこのドアノブを掴もうと手を伸べてるガナッシュがいた。

「!?アランシア……?」

アランシアの声に気付きガナッシュは3人のいる所へ駆け付けた。

「それに、ピスタチオに……ミエル。」
「へぇ〜。あんたもここに連れて来られるなんて意外ね。」

無表情で語るミエル。そんな中、ピスタチオが辛うじて聞き取れる程のスピードで叫び出した。

「キルシュが大変だっぴ!!エニグマに拐われたっぴ!!」
「そうなの〜!!融合されちゃうかも!!」

「…融合の心配はないと思うが、ヤバイことになったな…。」
「融合の心配は無いっぴか!?融合は嘘だっぴか??」
「すぐに融合できるんだったら、海岸でやってた筈だ。こんなところまで連れてきて、俺たちが疲れはてるのを待ってるところを見ると……。」
「私達がその気にならない限り、融合は不可能……と言う事?」

ミエルの問いにガナッシュが頷くとアランシアは不安が満ちた顔になった。

「じわじわいたぶって、その気になるまで待つのね?キルシュ…大丈夫かしら…?」
「攫われたのがあいつで助かったよ。あいつなら大丈夫だ。」
「……うん。」

「ひょああああ!!」

突然大きな叫び声が村中に響き、人の形をしたこんにゃく、こんにゃく様がある屋敷から飛び出した。

「ど、ど、ど、ど、どうしたんですかい!?」
「地下から声がするぺたん!!不気味な声がするぺたん!」
「やだ〜、こわ〜い…。」
「行ってみよう。キルシュがいるかも知れない。」

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