マジバケ小説 | ナノ


魔法学校ウィルオウィスプの朝のチャイムが鳴り、運動場で遊んだり廊下を歩き回ったりしていたたくさんの生徒たちが自分達の教室に戻って行く中、戻らない生徒達が何人かいた。

学校の中では個性的で有名なマドレーヌのクラスだった。彼等は今日臨海学校に行く事になり、準備をする人がいれば、自分達の時間を過ごしてる人もいる。
誰もいない図書館で1人だけ本を読んでるブロンドの少女、ミエル・スノードロップもそのマドレーヌのクラスの1人だった。彼女の周りには手帳、カメラ、数枚の地図、そして分厚い封筒が置かれてる。

「ミルミルー!!遊ぶなのー!!」

突然、後ろから声がすると、丸い小鳥のような生き物がミエルに飛んできた。

「何で今日も勉強してるなの?遊ぶなの!!」
「待って。これだけ。」
「せっかくのキャンプだから休むなのー!!」

羽をバタバタさせているその小鳥は風の精霊『エア』。ミエルを加護する精霊だった。
本来なら精霊を呼ぶ魔法『コール魔法』を呼ばないと出てこないのだが、ミエルは唯一その魔法を使わなくても精霊が見え、話も出来た。

未だに本を読んでる中、今度は図書館のドアが物凄いスピードで開き、ふさふさの毛を持っていてなぜかズボンを被っている犬を擬人化したヴォークスの少年。ピスタチオ・メイプルウッドが入ってきた。

「ミエル!!やっと見つけたっぴ!!助けて欲しいっぴ!!」
「助けてって…何を?」
「トレーニングだっぴ!!オイラ、このままじゃ落第だっぴ!!」

『落第だっぴ!!』と言う叫び声が図書館全体に広がり、ピスタチオは図書館の管理人に30分も説教をされてしまった。

ようやく説教が終わり、事情を聞けばピスタチオは今落第寸前で、追試のため現在、とある物でトレーニングをしているがそのある物を倒さないと落第になるらしい。

「お願いだっぴ!!オイラ落第は嫌だっぴ!!」
「解った。解ったからもう騒がないで。また図書館の人に怒られるよ。」

自分に抱きついたまま泣き喚いているピスタチオを宥め、ミエルはピスタチオがトレーニングをしていた場所、禅部屋へと向かった。

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