マジバケ小説 | ナノ


ようやく文鳥を退かしてエニグマの森へ辿り着いたミエル達。
エニグマの森は、先ほど通った東の森よりもずっと薄暗く、重い空気が満ちている。
まさにエニグマの住処にピッタリな場所だった。

「気を付けろ。ここはエニグマが一番多い所だ。どんな事があろうと油断は禁物だ。」
「言われなくても解るぜ。さっさとガナッシュ達を見つけて帰らなきゃな。」
「その前にセサミですの!1人でこんな所に居るのは危険ですの!!」

エニグマと融合すると言い出して飛び出したセサミ。
仮に融合しないとしても、最年少である彼がエニグマの最も多い場所であるエニグマの森に1人でウロウロするのは流石に危険すぎる。
一刻も早く見つけなければならなかった。

「融合……」

ミエルはボソリとそう呟いた。エニグマが望んでいる事。宿主と融合する事。それが何を意味するのかはまだ解らない。
ただ解るのはエニグマと融合した宿主は膨大な力を得るが、自我を失ってしまう事だけだった。

「俺と融合しないか?」

ふと、こんな言葉がミエルの頭に響いた。トルーナ村でキルシュを助けに行くとき、ガナッシュが語った言葉。
他の皆はキルシュを助けるために騙したのだと思ってたがミエルはとてもそう思えなかった。
だが、もし本当に融合したいのなら何が目的なのだろう?こんな疑問がミエルの頭から離れなかった。

「ミエルちゃん??」

ペシュが疑問を浮かべたように自分を見つめると、ミエルはハッとした。
何故自分が憎い相手の事を考えているのだろう?
頭を振りながらガナッシュへ対する疑問を振り払い、ミエルは他の皆と共に更に奥の方へ向かった。

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