マジバケ小説 | ナノ


環境が大雑把で、エニグマが一番多い闇のプレーンの中では安全な村と評判されているマサラティ村。
そんな村に、シードルを始め、キャンディ、カベルネ、ガナッシュ、オリーブがやって来た。

「ようやく村に着いたね。あとはここで先生たちが助けに来るのを待とうよ。」
「賛成!私も、もうヘトヘト。ここは安全な村だって話だし、しばらく、ここにいましょうよ。」

そう言ってキャンディは地面に座り込んだ。
光のプレーンにでも散々戦ったのに、増しては闇のプレーンにまで連れ去られた。
やっと安全な所に辿り着いた事だし、後は助けを待とう。
と、思ったとき、ガナッシュが数歩歩き出した。

「皆がそうしてくれると俺も動きやすいよ。それじゃ。」

ガナッシュは南にあるタル船がある所へ向った。
どうやらガナッシュは助けを待たず、連れ去られたショコラとセサミを助けに行くようだ。

「俺も行くヌ〜!」
「私も行く!」

そんなガナッシュをカベルネとオリーブが後を追い、キャンディも慌てて立ち上がった。

「ちょっと待ってよ!! 置いていかないでよ!!」

キャンディも3人を追いかけ、シードルだけ村に残った。

「…皆行っちゃった……。馬鹿なんだから、皆。自分たちだけで何が出来るって言うのさ。ふん!!」

「カッシー、ナイトホーク達を見かけなかった?」
「いや、俺がここに来た時はいなかったが?」
「可笑しいな。ここにいないのかな?」
「そんな筈ありませんの!!きっと皆いますの!!」

ガナッシュ達を探しに行くミエル達。
沼の上に浮かんでいるボロボロの橋を渡りきると、目の前に見覚えのあるドワーフがヴォークスの少女と話をしているのが見えた。

「お前は魔法が使えるか?」
「魔法?魔法がどうかしましたか?」
「俺の新たな宿主に相応しい魔法の使い手かと聞いている。質問に答えろ。」
「そんな訪ね方をして誰が答えるもんですか。立ち去りなさい!」

命令口調に言うドワーフに不満げそうなヴォークスの少女。
よく聞けばそのドワーフは光のプレーンの様に陽気ではなく、目は据わっていて、声も低い。
明らかにエニグマと融合したドワーフだった。
それに気付いたカシスが先にドワーフのいる所へ駆けつけると、肝心のショコラがいないことに気付いた。

「………。ショコラがいないぞ。どこかに隠して来たのか?」
「チッ!邪魔が入ったか! 」

カシスに気付いたドワーフはワープの魔法を唱えた。
確かに、ワープが使えるならどんなに追いついてもまた逃げられるばかりだ。
これじゃあ、ショコラを見つける所か、ドワーフを捕らえる事さえ難しくなりそうだ。
ようやく声がしてる事に気付いた白いプードルの顔をしたヴォークスの少女が4人のいる所に振り向いた。

「あら、初めまして。私はシナモン。マサラティ村の者です。」
「村?この近くにあるんですか?」
「ええ。ここから奥に行けばマサラティ村です。
ところで、先程村のほうでも何人か旅の方を見かけましたけど、お知り合いですか?」
「ガナッシュ達ですの!」

村にガナッシュ達がいる。すぐに近くにいる事を知り、4人は安心した。

「もしお知り合いでしたら彼らを止めたほうがいいかも。彼等、レヒカフ沼の南にわたるって言ってましたから。」
「沼!?沼って、ヒルとか……フンゾゾ虫とか……いろんな変な虫がいるんじゃありませんの!?」
「でも、どうして沼なんかに?」
「なんでも、エニグマの森に行くんですってよ。私はこれで! 村の人に見られたくないの!」
「エニグマノモリ〜〜〜!?」

なんと、ガナッシュ達はエニグマの森に行こうとしてる。
やっと合流出来ると思えばさらに遠くへ行こうとしているのだった。
話を終えたと判断したのか、シナモンはミエル達に別れの挨拶をし、近くにある小さな小屋へと走って行った。

「私達も行こう。」
「そうですの!!早くとっつかまえて連れて帰りますの!!」
「怖い言い方だな…。」

時間を無駄に使ってはいけない。と、ミエル達はマサラティ村へと向った。

 
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