それからしばらく経って、奥の方の空に空間が現れ、そこからピンク色をした女の子、茶色いロボット、大きな帽子を被ったブロンドの少女が降りてきた。
「ツイタゼー!!」
「ここが…闇のプレーン。」
あたり一面が暗い森で、底が見えないほど濁っている沼、光のプレーンとは全く違う風景に3人は言葉を失っていた。
「とりあえず、皆を探しに行きますの!!」
「探すと言っても……」
「ドコニイケバイインダ??」
現在、闇のプレーンの地理に付いて詳しい人はいない。かと言って近くに人らしき者はいない。
どうすればいいのやらと途方に暮れた時だった。
ずどどどどど
どこから何か重い物が引き摺られている、または押されてる音が聞こえた。
声がした方から来てるのは、その姿を目に入れるには余りにも大きすぎる岩男、ショコラだった。
余りにも唐突に起きたため、3人はショコラが自分達を通り過ぎるのをただボーッと見つめていた。
「……今のってもしかして…」
「ショコラちゃんですの!!追いかけますの!!」
早速友達を見つけ、追いかけようとペシュが駆け出した途端、後ろから来た誰かとぶつかり、2人はその場に倒れこんだ。
「いってぇ…。おい、何してんだよ!!」
「何ですの!?いきなりぶつかって来て、謝りなさいの!!」
転んだ2人が互いを睨み合った途端、目を見開いた。
いきなりやって来て、ペシュと一緒に転んだその人物は、3人のクラスメート、カシスだった。
「カシスちゃん!!お久し振りですの!!」
「…ぶつかって来てそれかよ…。」
「何ですの!!ぶつかって来たのはそっちですの!!」
会うなり説教をするペシュにカシスは頭を掻きながら溜め息をついた。
「ヨォ、カシス!!オマエモブジダッタンダナ!!」
「カフェオレに、ミエル?お前等も連れて来られたのか?」
「私達は……」
ミエル達は闇のプレーンに来るまでの経歴をカシスに話した。
「…と、言う事。」
「なるほどなぁ。つーか、何でよりにもよってペシュを連れて来たんだ?」
「私は皆をサポートしに来ましたの!!学級委員として、当然な事ですの!!」
胸を張るペシュだったが、カシスはどうにも腑に落ちない顔だった。
これからペシュに説教される事を考えると、そうなるのもおかしくはない。
「ところで、先程の岩男、もしかしてショコラ?」
「そう。ショコラだ。ドワーフと一緒にいたのを見つけて追い掛けたらこの様さ。」
「追い掛けますの!!悪いドワーフですの!!」
ペシュは顔を真っ赤にさせながら怒り出した。今の時点で追い掛けて追い付けられるか疑問であるが。
「無駄なんだ……。奴はワープの魔法が使える。追い詰めたら、ひゅ〜んさ。」
「ドワーフが魔法を使いますの!?しかもワープ!?信じられませんの!!」
ワープ魔法は、ある程度魔法を極めたところで出来るような魔法ではない。それを魔法が使えないドワーフが使えるのは確かに驚きである。
「奴にはエニグマが融合してる…。俺1人だったら、正体を現して襲い掛かってきた筈だ。」
エニグマが融合してる。道理で魔法が使えるものだ。
光のプレーンで急に姿を消したのも、おそらく追いつく前にワープを使ってたのだろう。
「イヤナテンカイニ、ナッテキタゼ…。」
「で、これからどうするの?」
「流石に闇のプレーンでは1人じゃヤバい感じだ。手を組もうぜ。」
「勿論ですの!!皆を助けに行きますの!!」
こうしてカシスが仲間に入り、4人は森の奥の奥へと進んで行った。
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