雷でコゲコゲになった男子達、色々な話でワイワイしていた女子達のお風呂の時間が終わり、皆魔バスへと戻って行った。
バルサミコに掴まっていたカフェオレは、すでに魔バスに繋がられていた。
「いいね〜バッチシだよ。これで闇のプレーンだろうが、もとの世界だろうが自由に行けるわなぁ。1回は。」
一瞬、バスに乗っていた全員が耳を疑った。たった1人を除いて。
「早速、闇のプレーンに行くぜ!覚悟はできてるか!?」
キルシュだった。一刻も早く闇のプレーンに行って、キャンディを助けたいのだろう。
だが、そんなキルシュをレモンが遮った。
「ちょい待て、キルシュ。バルサミコ、今なんつった?」
「闇のプレーンだろうがもとの世界へだろうが自由に行けるわなぁ。1回は。」
「1回だけだっぴか?」
「闇のプレーンになんか何度も行きたくねぇよ。1回でいいだろ?さっさと行こうぜ!のんびりしてられるかよ!」
こいつバカだ。と、バスにいるクラス全員がそう思った。
いくら頭が衰えてるとは言っても、ここまでバカじゃ逆に尊敬する。
「キルシュ、あなた頭使ってる?一度っきりってことは行ったらもう帰れないってことじゃないの?」
そう。プレーンを自由に行き来出来るのは1回だけ。
もしキルシュが言ったとおりそのまま闇のプレーンに行けば、物質プレーンには戻れない。
やっと物事を察したのかキルシュは静まり返った。
「でもそれじゃ、ガナッシュたちを助けに行けないじゃな〜い?」
「カフェオレのトランスが1回しかもたねぇからよぉ〜。学校に戻って魔バスをちゃんと修理すりゃなんとかなんじゃねぇの?」
「つまり帰るしかないってことだっぴ。」
「マァ、ソウイウコトダ。ココハカエルシカナイト。」
「魔バスの修理ってどのくらいかかるんだ?ガナッシュやキャンディは大丈夫なのか?」
修理の時間が長くなると、助けに行く前に襲われる可能性が高い。
それはキルシュだけではなく、他の皆も気にかかることだった。
だが、下手をすれば自分達も危険な目に合う。
「焦ったってしょうがないよ。確実な方法を選ぼう。帰るよ、学校に。」
ようやく結論が出た。学校に戻って、魔バスを修理して、状況が安定した時に皆を助けに行こう。
「りょ〜かい!行くぜっ!ワーーーップ!」
「イッ………!!イッ………!!!イヒャーーーッ!!」
バスに繋がったカフェオレの奇妙な悲鳴が響く中、バスはプレーンとプレーンの間に出来た道へ進んで行った。
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