マジバケ小説 | ナノ


カフェオレを改造するためにキード・モンガへ向かう中、イベンセ岩場へ辿り着いた時、ミエル達の目の前に灰色の鳥がテクテクと歩いていた。
物質のプレーンでは童話でしか知られてないどーどー鳥だった。
幼い頃宮殿で何度も会ったミエルを除いた5人も、どーどーを見て驚きを隠さなかった。

「どーどー鳥ですの!」
「すげぇ!!本物だ!!」

今まで唯の童話だと思った生き物が目の前にいる。
もう少し近くで見ようとキルシュがどーどーの居る所へ走り出した時だった。

「その鳥に触るな!!」

後ろからいきなり怒鳴り声が聞こえ、キルシュは身体をビクリとさせた。
振り向くと、そこにいたのは青いオーバーオールを着ているニャムネルトの男の子だった。

「突然何だっぴ〜!?」
「すまない。おどかす気はなかったんだ。」

驚いたミエル達とは違って、どーどーはそのニャムネルトの男の子を見た途端、安心した顔をして彼の方へ走って行った。

「俺の名前はネクター。タピオカティ村の生まれだけど、今は村から離れてるんだ。」
「タピオカティ村だっぴか!ニャムネルトの村だっぴ!」
「ニャムネルトの?じゃあ、レモンの故郷??」
「違うよミエル。あたしの先祖の故郷だったけどね。確か、闇のプレーンにあるのよね…。」

自分の故郷ではないが、何だか懐かしそうに語るレモン。
世界と言うのは広そうに見えて意外と狭い様だ。
それはそうと、闇のプレーンに住んでいたのなら、ネクターは光のプレーンには何の用なのだろう?

「どーどーって、1000年も生きるんだぜ。信じられるかい?」

普通の人の寿命の数倍の時を生きる。実際それを見た人以外、それを信じる人は相当居ないだろう。

「そして1000年ののちに元の姿に戻る。呪われる前の…どーどーになる前の本当の姿にね。」
「にわかには信じがたい話だっぴ…。」
「黙って聞けよ。ったくもう。」

疑わしい目で見てるピスタチオの頭をキルシュが殴った。
ネクターはそんなピスタチオの言葉に慣れているのか、ただ小さく笑っていた。だが、突然鋭い声で叫び出した。

「このどーどーも、もしかしたら人間や、精霊かもしれない。それなのに!!どーどーの肉や血が薬になるからって捕まえる連中がいるんだ!!」

どーどーが語られている本はおとぎ話だけ。
きっと、どーどーが人間や精霊である事を信じない人が狩ってるのだろう。

「そんな可哀想などーどーを安全な場所に集めて守ってやるのが俺の仕事さ。」
「うんうん。大人って汚ねぇよな。許せねぇぜ 。」
「1人で大変じゃないの?」
「神様から貰った大切な仕事なんだ。 どうって事ないよ。
それじゃ、俺はこれで。おいで、どーどー。」

ネクターは連れのどーどーと一緒に近くで彷徨っているかも知れないどーどーを探しに遠くへ去って行った。

前 
(1/3)
戻る
×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -