マジバケ小説 | ナノ


4人が魔バスに戻り、あるドワーフがショコラを連れている事、そんな2人をカシスが追ってる事、虫に夢中になったセサミがまたエニグマのせいで別のプレーンに連れて行かれた事等をバスで待機していた3人に話している間、バルサミコはカフェオレの部品を見ていた。
が、なんだか不満そうな顔になっている。

「どうしたの、バルサミコ?」
「カフェオレを分解してみたんだが、古くて使いモンにならねぇ!」
「ケッ。フルイノハオマエノウデジャネェノカ〜?」

バルサミコの言葉にカフェオレも不満を抱いた口調で話した。
せっかく覚悟して戻ってきたのに使い物にならないと言われたら誰だって怒るだろう。

「じゃあ、このまま帰れないっぴか!?」

ピスタチオの悲鳴がバスに響いたが、バルサミコは気にせず話を続けた。

「聞くところによると、どっかにドワーフの塔ってのがあって、そこのドワーフは機械の改造が得意だって言うじゃねぇか。」
「ええ。キード・モンガね。それがどうかしたの?」
「そこで、頼みがあんだが、カフェオレをそこに連れて行って、魔動力ジェネレーターに改造してもらってきてほしいんだ。」
「マドウリョクジェネレーター、ケッコウナハナシダネ。ナンニデモナリマストモ。ミンナノタメデスカラヨロコンデ。ハイ。トクイノ、ミートパイヲゴチソウシテアゲラレナクテ、ザンネンデス。」
「可哀想かも…。」

確かに哀れだ。オーブンの次は魔動力ジェネレーター。多分、カフェオレがクラスの中ではさんざんな目にあっているだろう。

「じゃあ、ドワーフの村に行くのは、カフェと、私と、後……」
「カフェオレの保護として私も行くよ。」
「私も行きますの!」

立候補したのはレモンとペシュ。最年長と回復役がいるとなんだか安心できる。

「俺も行くぜ!ここでずっと待ってて退屈だったしな!!」
「精霊を呼ぶ邪魔はしないでよ。」
「解ってるって。」

火属性のキルシュと風属性のミエルは相性が悪い。特にミエルは精霊をよく呼ぶのでキルシュの火の精霊にかき消されたら面倒事になる。だが、それを除けばいいチームメートである。
キルシュがパーティーに加わった事で残りはあと1人。

「ピー君行くよ。」
「何でだっぴ!?オイラはここにいるっぴ!!」
「魔法鍛えるんだろ?ぐずぐずしないで行くぜ!」
「ぴぃぃぃっ!!」

小さな足が地面に線を描きながらピスタチオがキルシュとペシュに引き摺られていく哀れな光景を見て、バスに居るアランシアとブルーべりは思わず苦笑した。

 
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テーマ「人外ファンタジー」
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