マジバケ小説 | ナノ


そんな中、オーブンになったカフェオレに意識が向いているミエルは目をパチパチさせながら彼をじっと見つめていた。

「カフェ。今何作ってるの?」
「チーズケーキダゼ。モウスグヤキアガルコロダ。」
「あっ!!チミチミ、そこから離れるざますよ、もしかして〜。火傷しちゃいますよ、もしかして〜!!」

チーズケーキを焼いているカフェオレの目の前に立っているミエルを見て慌てた声で叫びだすパルメザン。
だが、2人の目が合った途端、パルメザンは目を大きく見開いてミエルに近づいた。

「おやおや、誰かと思えばお孫さんではありませんの、もしかして〜。」
「……はい?」
「いや〜見てない内に、大きくなったざますね、もしかして〜。」

パルメザンはミエルの両手を握ってブンブンと振り回し、そんな彼をミエルはポカン顔で見ていた。
ミエルはパルメザンを見た事が一度もない。そもそも塔に来た事がない。
なのにどうしてパルメザンはミエルの事を知っているのだろうか?
いや、もしかしたら他の人と間違っているのかもしれない。

「今日もチーズを貰いに来ましたの、もしかして〜?」
「え?いや、あの…私は…」

何かを言おうとしたミエルの口をいきなりレモンが塞いだ。

「待て待て。これはチャンスかもしれない。」
「チャンス?」
「お頭は今、あんたの事知ってる人と思ってるだろ?上手く利用すればカフェオレを取り返せるかもしれない。」

そう言うと、レモンはミエルを抱えたままパルメザンへニンマリと笑った。

「なぁ、お頭さん。実は、このお孫さんちのオーブンがぶっ壊れちまったらしいんだ。」
「まあ、それは大変ざます、もしかして〜。」
「だろ?で、ここにオーブンがあると聞いて買いに来たんだ。」

レモンの演技を見てミエルは勿論、残りの2人も心の中で感嘆していた。
そんな中、パルメザンは手を顎に当てたまましばらく考え込んでいる。

「うーーーん。チミがどーしても欲しいとゆーなら、売ってあげてもイイのよ、もしかして〜。」
「え、いいんですか?」
「本来ならカエルグミ青10個、と言いたい所ですが……この際、タダであげるざます、もしかして〜。」
「よっしゃぁ〜!!!」

多少呆気なく事が進んだが、これでようやくカフェオレを救出した。

「アリガトウナノデ〜ス。イッショウオーブントシテイキテイクコトニナルカト、チョットフアンニ、ナッテタデ〜スモシカシテ〜。」

何故かパルメザンの口癖が乗り移っていたが、今はそんなに気にする事ではなさそうだ。

「タスケテモラッテ、コウイウノモナンデスガ…イロイロカンガエタンダケド、オレ…マバスノブヒンニナルカクゴデキタ。」

覚悟をしてると言ってるが、少し涙声になっている。身体の一部が取り外される事を思えば誰だって悲しむだろう。

「サキ二マバスへカエル。マバスヲ…ミタラ…オレノコトヲ…エグッ…オモイダシテ…」

話を終えずにカフェオレは即ダッシュでパルメザンの部屋から出て行った。

「カフェオレ!!待って!!自棄を起こさないで!!」

ブルーベリーが叫んでもカフェオレはただ走っていった。まあ、魔バスに戻ると言ったから少しは安心できる。
用が済んだ4人は塔から出て行き、魔バスへ向かった。

 
(3/6)
戻る
×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -