マジバケ小説 | ナノ


ラ・ロッシュの塔の中はチーズの塔と呼ばれるだけの事あって、壁も、天井もほとんどチーズで出来ていた。
やはり住民がネズミであって好物のチーズが多いようだ。

「お菓子のお城だ!!」
「いや、お菓子は違うでしょ?ここにあるのチーズだけだし。」

塔の中へ入るなり、チーズで出来た部屋を走り回りだすミエル。
興奮しているミエルをレモンがようやく捕まえ、4人は門番が渡したシールをとあるピップルに渡した。
あるシールを渡せばそのピップルからシールを貰い、またあるピップルにそれを渡す。
お頭に会うためには最上階に辿り着くまでこれを繰り返さなきゃいけなかった。

「今、何階ですの?」
「えーと…4階だと思う。」
「面倒臭くなって来た。」
「もう少しの辛抱だから。」

ロッシュの塔は6階、ようするに後2階だけ登ればお頭に会える。
とは言っても、1階ずつ、シールを渡さなきゃいけないピップルが2、3人位いたので、さすがに面倒臭くなる。

ようやく全員のピップルにシールを渡し、お頭がいる最上階に辿り着いた。
お頭の部屋には何人かのピップルスがチーズを作っていて、
その奥に紫色のローブを着てるピップルがカフェオレを使って何かを作っていた。

「あ〜ヒマでヒマでも〜忙しぃ〜〜〜〜〜〜なのよも〜もしかして〜。」
「あの人がお頭さんかな?」
「そうみたいね。」
「つーか、何だあの喋り方。イラっとくるな。」

ローブを着てるピップル、お頭のパルメザンの隣にいるカフェオレに近づくと、中でケーキでも焼いているのかモクモクと煙が出ていた。

「オーブンニカイゾーサレテシマイマシタ。」

悲しみの混ざった機械の音が4人に小さく響いた。

「あー、チミチミ!そりはわしのとくチューオーブンなのでありマスのよ、もしかして〜。
ドワーフの親方に、すンごい値段で作ってもらった物なのよ、もしかして〜〜。」

4人に気付いたパルメザンはピシッとした声で話しかけた。言い方を見ると、どうも素直にくれそうにない。
こんな奴とどうやって交渉すればいいのやらと、そこに立っていたお客さんは頭が真っ白になった。

 
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