マジバケ小説 | ナノ


「ここですの!ここにブルーベリーちゃんがいますの!」

ようやく地下に辿り着くと、目の前にブルーベリーの青い髪が見えた。
横になってる彼女の青い顔を見るだけでも体調が優れてないことはすぐに解った。

「ブルーベリーちゃん大丈夫ですの!?」
「お久しぶり……ペシュ、それにキルシュ、アランシア、ミエル。」
「オイラもいるっぴ!!」

名前を呼ばれなかったピスタチオは泣き喚いた声を立てながら腕をぶんぶん飛ばしていた。
ブルーベリーは無理に身体を起こそうとするが、エニグマがいるかも知れない状況で余計に体調を崩したらまずい事になる。

「ブルーベリーちゃん!休んでないといけませんの!」
「エニグマは3体いるらしいな。どうする?」
「あんな奴が3体も…。」

目を顰めながらブルーベリーが呟いた。

「もしかしてブルーベリー、ここのエニグマを見たの〜?」
「ええ、海岸に出たのとは全然違うわ。私達で3体を相手にしたらとても勝ち目はない……。」
「レモンが1匹をマークしている今がチャンスってことか……残りの奴らを1匹ずつ誘い出せば何とか……。」

「ひっひっひっひっひ……。」

キルシュの話が終わるも前にどこから笑い声が聞えた。
もはや聞き覚えがあり過ぎて聞き飽きた位不気味な笑い声。

「気をつけて。来るよ!」

鋭い目付きで辺りを見回しているミエル。すると、奥の部屋からエニグマらしき生き物がゆっくりと姿を現した。
それはまるでムカデと蛇を合わせたような姿で硬そうな甲羅を身に付けていた。

「ひっひっひっひ……安心しな、殺しはしない、宿主になってもらうだけだ。光のプレーンで自在に振る舞うにはお前達が必要だ。」
「い、い、い、イヤだっぴ!融合なんかしたくないっぴ!
オイラふさふさの尻尾もツヤツヤのおハナもお気に入りだっぴ!エニグマになんかなりたくないっぴ!!」
「死を前にして同じことが言えるかな?くっくっくっく……。」

顔が青くなったピスタチオを見て嘲笑うエニグマ。

「コイツかッ!1匹ずつ叩きゃいいんだ!!行くぜ!!」
「ひっひっひっひ……ソイツが戦ってる間……俺は何をして待ってればいいんだい?」

キルシュが戦闘体制になったと同時に後ろから似たような笑い声が聞え、2体目のエニグマが現れた。
さすがにこれは予想外だったのかキルシュの顔は青ざめた。

「2匹だ〜!2匹もいる〜!」
「くっくっくっく……2匹とはな……虫のように呼んでもらって光栄だよ……。」

また聞えてくる笑い声。それは1体目でも2体目でもない。3体目の笑い声だった。
宮殿にいるエニグマが全員ここに集まったのだ。3体の圧倒的なオーラにピスタチオは理性を失った。

「ひあ〜〜〜〜!!オイラ融合したいっぴ!エニグマ様と融合して強くなりたいっぴ!!死にたくないっぴ!!」
「くっくっくっく。分かってもらえて嬉しいよ。」

3体ではとても相手にならない。ここまま諦めるしかないだろうか?
そう思った時だった。

「力に屈しちゃダメだーーーッ!!」

そう叫び声が聞えると、奥からトルティーヤが現れ、持っていた村長ワンドをエニグマの一体に投げつけた。

「ぬッ!うごッ!うぐぐぉぉ……ッ!ぷきゃぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

村長ワンドがエニグマを深く刺すとエニグマはとても苦しそうな悲鳴声を上げ、体がワンドと共に崩れていった。

「ムスコさん!?」

トルティーヤと親衛隊はもう1体のエニグマの所へ駆けつけ、戦闘体制に入った。

「油断するな!!こっちは私達に任せろ!!お前達はそっちをッ!!」
「トルティーヤ…。」

決心したようなトルティーヤの強い目を見て、ミエルは満足そうに微笑んだ。
そして6人も残った1体に向かって構えた。

 
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