マジバケ小説 | ナノ


トルーナ村を恐怖に至らしめたパペット殺人事件は、とある事故によって幕を閉じ、パペット達もようやくホッとした。
事件の犯人がティラミスだと知っても誰も責める事なく、ティラミスとミルフィーユとの出来事に涙を流す者もいた。
村が平和を取り戻す中、魔法学校の生徒達は隣の村、ワクティ村へ行く準備を整っていた。
ちょうど準備が終わった頃、生徒達はとある場所へ向かった。

「いらっしゃいませ〜。」

宿屋だった。昨日までティラミスが立っていたカウンターにはミルフィーユがいて、ティラミスは弟の傍で安らかに眠っていた。

「あ、皆さん。もう行かれるんですか?」
「うん~。皆を探さなきゃいけないから〜。」
「機会があったらまた遊びに来るっぴ!」
「はい。是非いらっしゃって下さい。」

ミルフィーユのふんわりとした笑顔に見送られ、生徒達は宿屋を出て行った。

「ミエル。」

ふとミルフィーユが生徒の1人、ミエルに声をかけると、ミエルは不思議そうな顔で振り向いた。

「彼の事、あまり責めないであげて。彼もきっと悪気があった訳じゃない筈だから。」
「…はは。まさかミルフィにまで気を使わせちゃうなんてね。」
「お友達、見つかるといいね。」
「うん。じゃあ、行くね。ミルフィも元気でね。」

トルーナ村を出て、再び遺跡の入り口に辿り着いたミエル達が一人ずつ遺跡へと上がってると、何か暖かい光を放つ桃色の存在がミエルの目の前に現れた。

「ウィッシュ……」
「…泣かないで。」

それは愛の精霊「ウィッシュ」。大きなハートに包まれた様な小さな精霊の目はまるで心配してる様な目だった。

「…私…まだ、ダメね。」

そう言うとミエルは、ポンと音を出したウィッシュと共に、遺跡へと上がった。

to be continued……

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