「ただいま。お爺様……。」
家に戻ったミルフィーユは未だに悲しそうな顔でシフォンの所へ行った。
「おかえりミルフィーユ。外が騒がしいようじゃが、また誰か殺されたのかの…」
「……そうよ、その通りよ。また1人、仲間が殺されたわ」
「うむ。そうか。それも運命かの…」
「お爺ちゃん!私…!」
「うむ。辛かろう。泣くがええ。いくらでも泣くがええ。」
それを聞いてミルフィーユは感情が頂点に到ったのかシフォンの胸の中で泣き出した。
ミエルが慰めようと近づこうとしたが、それはある言葉で遮られてしまった。
「取り込み中、申し訳無いが…」
「ちょっと!ガナッシュ!後でもいいよ!んもう!」
突然割り込んだガナッシュにアランシアが止めようとしたが本人は聞こうともしなかった。
ようやく4人に振り向いたミルフィーユは涙を拭いた。
「……ごめんなさい。」
ミルフィーユは涙を拭い、クローゼットの引き出しからウークルの羽を探していた。
それを見ていたシフォンが彼女へ近付き肩に手をそっと乗せた。
「ミルフィーユ…わしら古代の民の末裔、滅びるのが運命かもしれん。運命ならば神様が決めたこと。何を泣く事があろう。」
「……。」
生きている者は死を免れないように、運命からは避けられない。
シフォンの言ってる事は間違ってはいないがミルフィーユにはまだ理解出来ない様だ。
「はい。ウークルの羽。」
ようやく見つけたウークルの羽を渡すと、ミルフィーユは静かに遺跡まで案内すると語った。
「オイラたち、急いでないから後でもいいっぴ!………。」
ピスタチオの言葉にも耳を貸さず、ミルフィーユは無言で家を出て行った。
「俺達、余所者でしかないって事なんだよ。厄介払いしたいのさ。」
ただ淡々と話すガナッシュをミエルはキリっと睨み付けたが、今の彼女には反論の余地が無かった。
やがてミエル達もミルフィーユを追って遺跡へと向かった。
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