マジバケ小説 | ナノ


さて、地下から出て来た所で後は遺跡を抜けるために許可をもらいに行く。
村長から許可を貰えば後は遺跡を抜けてワクティ村へと行くだけだった。
村長の家のドアをノックすると、「どうぞ。」と、女の子の声が聞こえた。
中に入ると、そこには白くて長い髭を持ったお爺さんとカールをしたブロンドの女の子がいて、女の子は自分と同じようにカールしたブロンドの女の子を見て目を見開いた。

「ミエル!!」
「ミルフィー!!」

2人の女の子はお互い手を握りながらパーッと明るい表情になった。

「久し振りねぇー!!前より大きくなってない?」
「そりゃそうよ。何年前だと思ってるの?」

そんな2人を見て4人はポカン顔になった。許可を貰いに来たのにこんな展開になれば誰だってそうなるだろう。

「ミエル、知ってるの〜?」
「え?あ……。」

4人と一緒に来てる事を思い出したミエルは再び大人しくなり、ミルフィーと呼ばれた女の子は笑顔で彼女達を迎えた。

「ここはトルーナ村の村長、シフォン・トルーナの家です。私は孫娘のミルフィーユ。よろしくね。」

ミルフィーユを見た途端、ピスタチオの顔が真っ赤になった。

「綺麗なお姉さんだっぴ…。」
「……?どうかしましたか?」
「お姉さん素敵だっぴ!」
「 ありがとう。あなたも素敵よ。あなたみたいなキュートな子に会うの、800年の人生の中でも初めてよ 。」

笑顔で答えるミルフィーユの言葉を聞いてピスタチオは跳び上がりそうに驚いた。

「800年!!それじゃお姉さんじゃなくておばあさんだっぴ!! 」
「ピスタチオ〜!失礼よ〜!」
「ピー君。ここの人達はカベルネ君と違って年を取らないの。」
「え〜〜〜〜〜ッ!?それじゃ、奥にいるヒゲのパペットは〜〜〜ッ!?」
「あの人は私のお爺ちゃん。この村の村長で、生まれた時から白い髭のおじいちゃんだったわ。」

未だにピスタチオが周りを見回しながらワナワナしてる中、キルシュが小さく囁いた。

「 ここは不思議な町だな……。時間か止まっていて……それでいて、少しずつ壊れていくような…… 。」
「そんな物騒な事言わないでよ。ここの人達に失礼でしょ?」
「そろそろ行くぜ。」
「そうよ〜。今日は皆いるから〜、また今度2人きりで会う約束しときなよ〜!年上だけど素敵よ〜! 」
「そんなんじゃないっぴ!行くっぴ!」

ミルフィーユとの話が終わった所でミエル達は村長のいる方へ行った。
長い髪と髭に隠されているその顔は少しポカーンとしている。

「おじいちゃ〜ん。」
「 はひゃ。どなたさんでしたかの…?」
「不躾 で申しわけ無いが、遺跡を抜けたいんだ。許可をもらえないか?」
「はひゃ。許可か。よかろう。」

村長はあっさりと許可をしてくれた。

「しかし、今日は もう遅いのぉ。のぉ、ミルフィーユ?」
「 そうですね、お爺様。ちょっとだけ遅いかもね 。」

窓の外を見てみると、辺りはオレンジ色に変わり、外にいたパペットも減っていた。

「 そうじゃの。明日また来てもらおう。そしたら、そなたらにわしのモモヒキをあげよう。」
『モモヒキ!?』
「しっかりしてほしいっぴ!」

たかがモモヒキで遺跡を抜けられるなんてどう考えてもあり得ない。呆れたピスタチオは思わず叫んでしまった。

「モモヒキじゃありませんお爺様。ウークルの羽です。」
「そうそう、ウークルの…それがあると、えー…夜も暖かくてぐっすり眠れるんじゃたかの…?」
「それはモモヒキ。お爺様、ご心配なく。ウークルの羽は明日私がお渡しして遺跡にも案内差し上げます。」
「おお、連れて行ってくれるか。それはすまぬの。遺跡に行くのも何年ぶりじゃ。」
「案内して差し上げるのはお爺様ではなく旅の方です。お体に響きますのでお爺様はゆっくりなさいませ。」
「おお、そうかそうか。それじゃ、また明日来るがよい。」

ようやく話が終わった。明日村長がこの事を覚えてるかは期待出来ない。と言うか、今も5人の事を覚えていない……。
ミルフィーユに頼るしかなさそうだ。

 
(3/4)
戻る
×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -