マジバケ小説 | ナノ


アランシアがいるらしき場所を探してる間、いろいろなモンスターを倒し、時には休みながら戦う作戦を考えたり、学校ではほぼやる事の無かった出来事が続いていた。
そんな中、急にピスタチオの鼻がぴくぴくと動いた。

「ぴ?何かいい匂いがするっぴ!」
「いい匂い?食べ物らしいものなんてどこにも…。」
「そんなんじゃないっぴ!すごく優しい木の匂いだっぴ!」

木の匂いがする方へ行ってみると小さな木の枝がポツンと置かれていた。

「ああ、なるほどねぇ〜。」
「ぴっ?」

木の枝をじっと見つめてるミエルを見てピスタチオは首を傾げた。だが、彼女が見ていたのは枝ではない別のものだった。

「スティック。」

「ぐり〜!!ミルミル、久しぶりぐり〜!!」

突然木の枝がどんぐりに似た木の精霊『スティック』に変わった。

「ぴっ!?!?スティックが出て来たっぴ!!」

大きくなったピスタチオの目には何を言ってるのか解らないスティックと普通に話をしてるミエルが写り、話を終えたと思うとスティックはポンと音を出していなくなった。

「ミエル、精霊と話せるっぴ?」
「ん?あ、うん。小さい頃からずっと。」
「ずるいっぴ!!何でミエルは何でも出来るっぴぃ!?」

泣き喚きながら自分をポカポカと殴り付けるピスタチオを宥めながらもミエルは思わず笑ってしまった。
クラスは勿論、学校でもコール魔法を使わずに精霊が見え、話が出来る生徒はミエル1人だけ。
本人はこの事を内緒にしていたから誰も知らなかったが、いずれほぼ全員に知られるだろう。

再び西の方へ向かうと木で出来ている洞窟が現れた。

「この先にアランシアがいるっぴ!行くしかないっぴ!」
「うん。気をつけて入るわよ。」
「イェ〜〜ス!!イカスっぴ〜〜!!シビレるっぴ〜〜!!」

洞窟に入ると、確かにアランシアがいた。だが、目が据わっていて、無表情で2人を見ている彼女はなんだか不気味だった。

「ふっふっふ…こっちだよ…おいで…。」
「アランシア…?どこか変だっぴ…。」

ピスタチオの言葉を聞いてもアランシアはただにっこりと微笑み、遠くへ行ってしまった。

「アランシア…よね?」
「とにかく行ってみるっぴ!」

先程見たアランシアはいつもの彼女とは違う。いつも一緒にいるピスタチオも、学校に来て間もないミエルもそう思った。
疑問を抱いた2人だが、とりあえず彼女を追ってみる事にした。

 
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