マジバケ小説 | ナノ


「…ル……ミル……ルミル……ミルミル!!」

誰かが自分を呼び、どこかに横たわってるミエルはゆっくり目を開けた。

「ミルミル!!良かったなの!!無事だったなの!!」
「…ここは?」

周りを見回すと、辺り一面が森で、柔らかい日差しが包み込んでるようだった。

「…ミモレットの森?」
「ミルミル!!あれを見るなの!!」

エアが見ている所を見ると、空中に浮かんでる大きな物体があった。

「ベナコンチャ。と言う事は……。」
「光のプレーンなの!!光のプレーンに来たなの!!」

まるでふるさとに戻ったかのように嬉しそうな声を出しながらエアは物凄いスピードで飛び回った。
だが、やがて車が急停止するかのようにミエルの目の前で止まった。

「あれ?でもおかしいなの。エニグマは光が大嫌いなの。それなのにどうして光のプレーンにエア達を連れてきたなの?」
「さあ…。他の皆は大丈夫かしら?」
「大丈夫なの。誰も死んでいないなの。ここにいる皆がそう言ってたなの。」
「なら良いけど……まあ、光のプレーンなら少し安心だわ。道は知ってるから、少しでも楽に探せるわね。」
「そうなの!!そうと決まれば、早く皆を探しに行くのぉお!!」

エアのエールを受け、クラスメートを探しに歩き始めた。すると、

「ピー君?」
「ミエル!!」

顔が涙と鼻水でびしょびしょになっているピスタチオがいた。
ミエルの声に気付いたピスタチオは彼女に飛び付き、彼女はそんな彼の頭を優しく撫でた。

「無事だったのね。良かった〜。」
「助かったっぴ〜〜〜!!オイラ、海岸で突然変な生き物に追い回されて…でも、もう大丈夫だっぴ!仲間に会えたっぴ!!」

感動の再会が続く中、何故かピスタチオは目を見開いたまま青ざめたと思いきゃ唐突に走り去ってしまった。

「え???ピー君?」

彼を追いに行こうとした刹那、後ろから違和感を感じて振り向けば、海岸にいたエニグマが目の前にいた。

「…はあ。もう驚くのも疲れた。」

そう言ってミエルはピスカプークのお腹を思いっきり蹴っ飛ばし、ぐらついてる隙に風の刃で切り裂いた。

「ピー君〜。もう大丈夫だよ〜。…どこに行ったのかな?」

エニグマを見た途端遠くへ逃げてしまったピスタチオを探しに先へ行ってみると、丸太橋の方に巨大な鼠が立っているのが目に映った。
それだけなら別にどうでもいいのだがその前にはピスタチオが倒れていた。やられたのかと思い、慌てて走って行ったが。

「困ったっぴ……挟まれたっぴ……死んだフリしてるの見破られたら、オイラもいよいよおしまいだっぴ……」
「…ピー君…。」

幸か不幸か、死んだ振りをしてるだけだった。
橋の上にぐったりと横たわってるピスタチオを見てミエルはため息を吐いた。

「ピー君。」
「………。」
「ピー君!!」
「!!ミエル!!丁度良かったっぴ!!これからこのモンスターと戦うところだっぴ!一緒に戦うっぴ!」

先まで死んだ振りをする程怯えてたくせに。この言葉は敢えて口にしなかった。

「分かった。全力で倒すわよ。」
「イェ〜〜〜ス!!ブチかましてやるっぴ〜〜〜!!」

どうなったかというと、ピスタチオが使った木の魔法でどんぐりを3つ巨大ネズミの頭に当て、
ミエルが風の魔法で自分のスピードを上げ、ネズミの頭にできたたんこぶを思いっきり蹴ったことで痛みに耐えられなかったネズミはそのまま気絶し、川に流されたという。

「ひゃっほ〜〜〜!!オイラ生きてるっぴ〜!!」

飛び上がりそうに喜ぶピスタチオ。成績が一番低い彼にとってモンスターを倒すのはよほど嬉しい事のようだ。

「ところでミエル殿。これからどっちに行くっぴ?オイラの鼻によると西からアランシアの匂いがするっぴ」
「本当?なら急ごう。無事だと良いわね。」
「イェ〜〜〜ス!!行くっぴ!!」

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