マジバケ小説 | ナノ


海岸ではまだ無数のエニグマがいて、一番奥にいるエニグマの前にガナッシュが立っていた。

「クックックッ…凄まじいパワーだ…。お前が手に入れば他の雑魚はいらん。覚悟しろ。」
「ガナッシュ!!何をする気!?」

ガナッシュを追いかけたマドレーヌを見るとガナッシュは冷静な声で囁いた。

「先生、待ってて。必ず皆を連れ戻すから。」
「ガナッシュ!!」

やがて、彼の体がだんだん薄くなり、クラスの皆のように姿を消した。

「後は雑魚か。くっくっくっく……お前達の好きにしな……。」


「ヴァレンシア海岸……あそこは、3年前の事件の後すぐに閉鎖すべきだったわ。
よりにもよって、どうしてあんな場所でキャンプを続けるんですか?」

3年前のヴァニラ・ナイトホークの失踪があったにも関わらず、事件が起きた所に近づかないよう命じられる事はなかった。
それにマドレーヌはどうも納得が出来なかった。

「こちらの動きをヤツらに知られたくないんだ。子供たち全員とは言わぬ。半分でいい。
前線に出せる魔法使いとして育てて帰ってきてほしい。」

グラン・ドラジェの返事にマドレーヌは驚きを隠せなかった。
半分だけでも言い。要するに残りの半分は死んでもかまわないとも言えることだった。

「一刻を争うんじゃ。軍にはもう、頼れる者はおらん。
このままだと、15年前の悪夢の再来…いや、こちらにはもうヤツらを抑え込む戦力がない。どうなるかは火を見るより明らか。
頼む、マドレーヌ。戦争はもう始まっておるんじゃ。」

15年前の戦争、当時はこれもまた単なる事故と知られ、この戦争で犠牲にされた魔法使いも知られる事は無かった。
だが、このまま3年前の事件が続けば、いずれまた同じことが繰り返す。グラン・ドラジェはそれを恐れていたのだった。

「………校長の考えはわかりました。だけど、全員連れて帰ります。1人も死なせたりするもんですか。」



回想を終えたマドレーヌの表情が厳しくなった。

「誰が雑魚ですって?」

マドレーヌがエニグマに近付くと白い光が指から放たれ、それがエニグマを次々と爆発させた。
予想外の大きな魔力に残りも驚きを隠せなかった。

「こ……!コイツッ!!」
「皆にしたことを私にもしなさい!!」
「チッ!!ここで戦うのは分が悪い。」
「光のプレーンに戻るのか?」
「……?」

エニグマの会話にマドレーヌは疑問を抱いた。闇の生き物が何故自分達に不利な場所でもある光のプレーンへ戻るのか?
だが、今こんな疑問を抱いても時間の無駄だ。

「あそこはもっとブが悪くなるだろうが。もっといい場所を用意してやるよ。くっくっくっくっく……。」
「さぁ!!どうするのッ!?」
「今だ!!挟み撃ちだ!!」

2匹のエニグマがマドレーヌをお襲い、やがてヴァレンシア海岸には誰も居なくなった。たった一カ所を除いて。

「アイツら、居なくなったのか?」

洞窟で宝を探していた途中、エニグマが現れた途端隠れたセサミがまだ残っていたのだった。
何の声も聞こえなくなって岩から出てきたものの、あまりの静かさに不安を感じた。
様子を見ようと洞窟から出て行こうとした瞬間、渦巻きから青い生き物が彼の後ろから襲い掛かり、
しばらくの間悲鳴声が洞窟に広まったが、やがては沈黙だけが続いた。

to be continued……

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