マジバケ小説 | ナノ


キャンプファイアの時間になり、生徒達のほとんどが周りに座ってるのを確認すると、メラメラと火が燃えてる中、担任のマドレーヌはゆっくりと口を開けた。

「これから長いキャンプが始まります。最初の一日か二日は楽しいと思うけど、しばらく続ける内に寂しくなる人や喧嘩しちゃう人が出てくると思います。
嬉しいこともあるだろうけど辛いこともあります。
だけどそれらは全て、皆の経験になります。色んな経験をすればする程皆は強くなって行きます。
強くなるってことは誰と戦っても負けないということですか?
それは違いますね。本当に強くなれば、闘う必要もなくなるんです」

マドレーヌの言葉はだれも簡単には理解できなかった。特にピスタチオは。

「でも、カラマリィに勝たないとオイラ落第だっぴ!!」
「それじゃ、こう考えてみよう。戦わなくていい、勝たなくていい、落第してもいい、パパとママから魔法学校なんか通わせないと言われてもいい、学校に行けなくてもいい。」
「そうしたらもう誰にも会えないっぴ!!」

泣きわめくピスタチオにマドレーヌは優しく微笑み、話を続けた。

「学校に来れなくなってひとりぼっちになっても誰一人として、君の友達でなくなる子はいないわ。
君がどこにいても皆心の中で繋がっているの。
それに気付いた時、君は本当の自分自身の力に目覚めることが出来るはず。
それが本当の強さ、そこからが魔法使いとしての本当の修行の始まりよ。
学校で教えていることなんて本当はどうでもいいの、分かったかな?」
「でも先生……!!」
「それではまた1時間自由時間です。かいさーーーん。」

マドレーヌが去って行くとピスタチオは相変わらずしょんぼりとした顔になった。

「心配するなよピスタチオ!俺がしごいてやるよ!」
「私もモンであげますの!!覚悟しますの!!」
「ペシュなんかにモまれたらおしまいだっぴ!!」
「上等ですの!!おしまいにしてあげますの!!」
「ごめんっぴ―――――!!」
「許しませんの―――――!!」

ぺシュのとてつもない殺気を感じてピスタチオは自慢の素早さで逃げたものの
ぺシュにボコボコにされることは逃れなかった。

「相変わらずあの2人はよく喧嘩するね。」
「あいつ等はまだいいよ。お前等2人よりは。」
「はあ……またその話?」

禅部屋で聞いた話を海岸でも聞き、ミエルは面倒そうな顔をして伸びをした。
そもそもここには仲直りするべき相手がいないため、するなら探しに行かなければならない。

「ちょっと散歩に行こうかな?」
「あ!!また逃げる気?」
「ただ散歩に行くだけだから。」

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