マジバケ小説 | ナノ


「キャンディですの!!一体どうしてましたの!?皆心配してますの!!」

言葉どおり心配している様な顔でぺシュが叫んでも、ミエル達が彼女に近づいも、キャンディはただミエル達を見つめていた。

「もうこれ以上、私達を追わないで……。」

キャンディとガナッシュを連れて来る為に追って来たのに、キャンディは追うなと言っている。
最後まで勝手な彼女の態度に、クラスメートはこれを荒く立てた。

「いけませんの…そんな風に言うのは、いけませんの!!私達、キャンディちゃんの事が心配でここまで来ましたの!!人の心が解らないのは良くありませんの!!」
「ガナッシュはどうしたんだ?一緒だったんだろ?」
「一体ガナッシュをどうするつもりヌ〜!」
「やめろよ、キャンディ。俺達を相手に戦ったところで自分の無力さにうちひしがれるだけだろ?お前、馬鹿なんだよ。いつも、自分の弱さばかりを確かめてる。自分の強い部分に気がつかないといつまでも負け犬のままだぜ!」
「あなた、勝手過ぎるのよ!!もっと周りを見なよ!!いつも自分が勝つことしか考えてないんだから!!ガナッシュと2人ででこんなとこまで来たって、あなたが変わらなきゃ何も変わらないよ!!」
「キャンディ、あなたは結局何がしたいの!?ナイトホークを融合させて、私達と戦って、それであなたに何の利益があるって言うの!?」

どんなに語りかけても、キャンディはただ黙っていた。

『キャンディ!!』

ふと、後ろからキャンディを呼ぶ声が聞こえた。魔バスに残っていた筈のキルシュとオリーブだった。
クラスメートの何人かが驚いた様に振り向く中、キャンディは自分に近づいて来たオリーブを睨み付けた。

「キャンディ……。」
「オリーブ……あなたが私をこんな風にしたのよ。人の心を覗いて、平然としていられるような人がいるなんて私、耐えられない!!まるで私だけ裸でいるみたいじゃないの……!!」

誰にでも知られたくない事があり、それを知られる事を恐れる人もいる。
キャンディにとって、知られたくない事を何でも知っているオリーブは実に目障りだったのだろう。
どんなに冷たく言葉を放っても何も語らずただ俯いているオリーブを見て、キャンディはさらにオリーブを睨み付けた。

「そんなの馬鹿みたい!!あなたなんか居なくなればいいのよ!!」

突然、キャンディの体が大きくて暗い色をした化け物へと変わり果てた。
キャンディに取り付かれたエニグマ、エキウロクリュが姿を現したのだった。

「くっくっくっく……。これが私の力。捻り潰してやる……。何もかも……。」

クラスメートが、友達が、おぞましい化け物へと変わった瞬間を目の辺りにしたミエル達は一瞬唖然としたが、すぐに我に返り、戦う姿勢を整った。

「まずは邪魔なこいつ等を片付ける!!オリーブはその後だ!!」

 
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